ストロベリーソングオーケストラ、2010年のシングル。劇団員は出入りが激しそうなので置いておくとして、ピアニストとドラマーが交代したのが目立った変化(ドラムに関しては前任者も在籍したまま今回は別の人が叩いているということかな?)。とは言えピアノは、筋肉少女帯の三柴氏や五人一首の百田氏の影響を受けたような前任者の演奏スタイルを上手く踏襲しており、バンドの作風に変化は無い。フルアルバム「血の濫觴」からオイシイ所だけを抽出しまとめたような、かなり濃厚で充実した内容。「切断ダリア」のPVを収録したDVDが付属。音源だけだと十分には味わえない、このバンドが持つアングラ演劇の要素をPVで垣間見ることができるのが嬉しい。巨大なハサミを引きずるシルクハットの男・道化師・人さらい・殺人鬼といった風貌の、時計詩母さんの怪演が光ってます。
「切断ダリア」は思わず踊りだしそうなハイテンションさで疾走。激しいサウンドの中を、ピアノがめまぐるしくジャジーに駆け回り乱舞し、2人の女性コーラスが絶妙のハーモニーで飛び交い、吐き捨てるような男性ボーカルが血眼で転がり込んでくる。猟奇的で血生臭くも、切ない。女声中心のレトロで日本的な哀愁あるサビに男声が加わり、怒涛のラストシーンへ突っ込んでいく終盤は熱い!「木偶の縫子」系統の小粋な楽曲を、「狂れた埋葬虫、電波、赤マント!」や「血の軌跡が故の慟哭」等のような王道的な展開でやるとこうなる…といった感じの曲だ。名曲!「夢六道からくり糸車」は男声部が無い女性ボーカルメインの曲。JAシーザーの「絶対運命黙示録」みたいな合唱が強く耳に残る。攻撃的かつ叙情的、起伏ある曲展開。サビ?の凛とした力強さに胸打たれる。「黒い日曜日」はドラマチック、ホラーかつノリが良い。この曲かなり好き。日本の童謡・子守唄あるいは「かごめかごめ」や「花いちもんめ」の歌などを想起させる、郷愁・懐かしさとともに独特の怖さを持つメロディ。「誰が〜」と呼びかける哀愁ある女性ボーカルに、「嗚呼〜」と情感たっぷりに男性ボーカルが答えるサビの歌メロが素晴らしく、胸に染みる、何か熱いものが込み上げてくる。寺山修司の「かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭」という短歌がフッと頭に浮かぶような詩世界も良い。「自分の影に捜索願を出し〜」という部分など、私が中学生の時に寺山修司に感化されてノートに書いていた詩にそっくりで、何だか甘酸っぱい気持ちになります。