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時代の表向きの理想を純粋に信じ真摯に行動する少年。
建前は分かっているけれど、社会の本音・実際の気持ちに正直になろうとする少年。
どちらも間違っていると言えない状況でのそれぞれの行動が哀しい。
現在の感覚で見れば建前であり虚像にしか思えない皇国の義と理想を、当時、特に満州事変から開戦の時期を考慮に入れれば、一概に否定する事はできない。例え間違っていると薄々感じている事があったとしても、社会の総意としてあった理想を純に信じる13歳の少年を、愚かだと否定する事は誰にもできない。
軍部だけが悪ではない。軍部の大本営発表を垂れ流すマスコミ、熟考する事なく気分によって形成されるがためにその場その場で手のひらを返すように流れていく社会の総意。それぞれが自分達から見れば正しく、等しく悪となるものだ。
その少年が起こした行動を誰が罰する事ができるだろうか。
この小説は、あくまでも第二次世界大戦と言う特殊な時期を舞台にしているが、ここにある真摯に時代に向き合った少年の意志と真摯だったがために生じた事件は、現代にこそ真剣に考えなければならない問題だ。
少なくとも私はそう思う。
設定のせいで硬い文章になっている部分もある。決して簡単に答えのでる問題でもない。だからこそこの小説に登場する少年達の哀しさを読者それぞれが受け止め、現代の私達こそが考えなければいけない問題なのだと感じて欲しい。
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