12ヶ月連続刊行の10作目になります.
伏せ字ばかりの意味深な会話にはじまり,ある人物や今回の刀など,
少し前からチラついている,物語の背景に迫る描写が多くなっていて,
新たに明かされる刀の秘密も含め,完結が近づいている印象を受けます.
また,今回の刀やその所有者と,物語の雰囲気もこれまでと違っていて,
特に序章を伏線とした中盤以降は,主人公らの内面を映し出すだけでなく,
今回の『経験』が主人公たちに与える影響,物語の結末に興味が惹かれます.
ほかにも,登場場面やセリフは圧倒的に主人公のほうが多いのですが,
真の中心は別の人物になっているというのも,これまたおもしろい趣向.
禅問答のようなやり取りなどは,ちょっとしたファンタジのようでもあり,
そのクセのある長いセリフは,著者のファンには楽しみどころのひとつかと.
反面,刀や敵のことを毎度のように書き連ねるのはいつもガッカリします.
『意図』はわかりませんが,これだけつづき作品内でも何度もやられては….