『刀と真剣勝負』と言うタイトルから剣豪の本かと思ったが、実際はむしろ「筆者が刀の真実に真剣に向き合った本」と言ったところ。筆者の経歴から言えば刀剣の専門書とは言いがたいのだが、それが逆に基本からきっちりとポイントを押さえた、初心者向きの良書になっている。
刀の虚実から科学的考証、歴史的な逸話から刀の手入れや取り扱い方、さらに剣豪の伝説まで、刀を調べたり学んだりする上での用語や基本ベースとなる点はほぼ網羅。字も大きく必要なところには絵で説明を入れるなど、初めて本格的に刀を調べてみたい、と言う人が取っ掛かりとして読む場合や、うっかり失念した基本を調べなおしたい時に非常に便利な本である。
汎用性が高い分個々の掘り込みが浅いのは否定できず、参考資料に頼りすぎかな、と思われる所もあるが、筆者の刀に対する愛情と初期資料としての過不足ない内容、全体の読みやすさと手軽な新書サイズと言う点も考え、刀の入門書としては星5つを付けてよいと思う。