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<出雲>という思想 (講談社学術文庫)
 
 
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<出雲>という思想 (講談社学術文庫) [文庫]

原 武史
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

<出雲>はなぜ明治政府に抹殺されたのか?「国家神道」「国体」の確立は、<出雲>に対する<伊勢>の勝利であった。近代化の中で闇に葬られたオホクニヌシを主祭神とするもう一つの神道思想の系譜に迫る

内容(「BOOK」データベースより)

明治国家における「国体」「近代天皇制」の確立は、“伊勢”=国家神道の勝利であった。その陰で闇に葬られたもう一つの神道・“出雲”。スサノヲやオホクニヌシを主宰神とするこの神学は、復古神道の流れに属しながら、なぜ抹殺されたのか。気鋭の学者が“出雲”という場所をとおし、近代日本のもう一つの思想史を大胆に描く意欲作。

登録情報

  • 文庫: 288ページ
  • 出版社: 講談社 (2001/10/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061595164
  • ISBN-13: 978-4061595163
  • 発売日: 2001/10/10
  • 商品パッケージの寸法: 14.6 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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20 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 これは面白い! 2006/2/11
By
形式:文庫
2006年12月4日出雲学フォーラムで原武史さんの講演を聞く。

本居宣長、平田篤胤、千家尊福と続く出雲に関する近代思想史の話を聞くのは初めてであり、とても興味深かった。

早速会場で原武史著「出雲という思想−近代日本の抹殺された神々−」を購入し、一挙に読んだ。これは面白い。

アマテラスを主宰神とする伊勢神道。これに対するスサノヲやオホクニヌシを主宰神とする神道<出雲>。明治国家形成の過程でいったん表舞台に登場しながら国家神道<伊勢>に対する強力な批判であったがために、明治初期国家(政府)によってついに抹殺されるにいたる。

しかし、その後も大本教(出口王仁三郎)、折口信夫と出雲神道の信仰、研究は続いていた。

出雲國というトポス(場所)に暮らす者として今一度出雲神道の系譜をキチンと辿ってみたいと思う。
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12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 アマテラスかオホクニヌシか 2006/8/20
By s.yagishita トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazon.co.jpで購入済み
「出雲」と言う言葉からは古典や古代史をイメージしてしまうが、本書の主題は思想史である、と言っていいだろう。アマテラス(伊勢)とオホクニヌシ(出雲)のどちらを中心に据えるかと言う思想と政治力学の歴史である。

オホクニヌシ重視派が歴史的に見て必ずしも少数派でなかったことから、もしかすると今後、アマテラスかオホクニヌシか、と言う論争が再燃しオホクニヌシの復権があるかもしれない。「第二部 埼玉の謎」で述べられている、県庁所在地の座を浦和に奪われた出雲の神々を祀る氷川神社のある大宮が、それを彷彿とさせる。 
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 出雲思想からみた天皇 2009/11/4
形式:文庫
本書をよみまず私が気づかされたことは、今まで自明としていたことのあやしさだ。例えば、日本国憲法第一条における天皇の規定は、近代(=GHQ)による産物で、大日本帝国憲法における規定は、わが国の歴史に培われてきた国体そのものであると見ていた。

・日本国憲法 第1条: 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
・大日本帝国憲法 第1条: 大日本帝国は、万世一系の天皇がこれを統治する

われわれ現代人は十分科学的なので、古代までをすべて見通していると思いこんでいる。実は近代のものさしで想定した古代観を、『古代そのもの』と思っている錯覚ではないか・・・本書を読んだあとそのことに気がつき、別の視野が開けてきた。新憲法による規定こそ、我が国に連綿と続いてきた「権威はあるが権力はない」国体に近い「本来の天皇像」であって、大日本帝国憲法のほうが、ときの政府の意向に基づく「創造された天皇像」であることを知る。

著者の原武史氏は憲法まで筆先を伸ばしているわけではないが、旧憲法設立前の数十年間(幕末から明治維新にかけて)、アマテラスとオオクニヌシをどう位置付けるかの綱引きが、結果として旧憲法の天皇の規定を生んだ、という事実を気づかせてくれる。出雲国風土記には綱引き(国引き)の神話があるが、皮肉にも「政治的綱引き」として明治になってから再発したのである。

本書のおもしろい点は、古代史学ではなく、文献学であることだ。実態の古代がどうであったかというのは著者の関心の範疇外である。著者が指摘するのは、古事記や日本書記といった古文書を祖先がどのように解釈してきたかである。本書を読むまで本居宣長や平田篤胤に関しての知識は浅薄なものでしたかなかった。宣長が古事記に傾倒するのに対し、篤胤がより広い古文書の中から、幽冥界=オオクニヌシの定義を明らかにしようとしたこと事実を、本書によりその入り口に立てたとおもう。

また島崎藤村「夜明け前」の鑑賞方法を得られたことは大きな収穫であった。本書の後すぐに読んだが、主題が関連しておりとても面白かった。

本書は古文をそのまま引用しつつも、わかりやすく現代文での訳文も載せているので読みやすい。良書である。
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