この本は、書き下し文と、漢文の原文しかのっておらず、語句の意味についての注は全然ありません。あとがきによれば、この本は、日本語学・日本史学・日本文学をそれぞれ専攻分野とする3人による学際的な協業によりできた本であり、これまでとは異なる読解の方向で解釈が深まった箇所もあったと自負しているそうです。ということで、この本の価値は、これまでの解釈について十分理解している人でなければわからないと思います。また価値がわからなくても、風土記を使って卒業論文などを書く人は無視できないでしょう。しかし書き下し文の漢字にはすべて振り仮名が付いていますので、読もうと思えば一般人でも読めないこともありません。こういう類の本が好きな人には、昼は本棚の飾りとして、夜は睡眠薬代わりに役に立つ本と言えるでしょう。