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投稿者: Dolly the Cat (詳しいプロフィールを表示) 表題作などの戦記物は今でもかろうじて他の本でも読めるが、この本には、戦後まもなく昭和22年のデビュー作『単独旅行者』が収録されている点が貴重だ。 学生時代を過ごした街へ戻ってきた「僕」は、知人のロシア人宅を訪ねてから、バスで一緒になった女と同宿して一夜を明かすが、翌日には別れて旅を続ける。それだけの話なのに、読む者はすでに島尾文学という王国が確立されていることに気づかされる。そこは「不安が転移して行く」世界であり、「身体もめちゃくちゃだし、此処(頭)も時々変になるのさ」との告白がなされる場所だ。 特攻体験から生還した島尾氏は、戦後の世界には自分の居場所がない、と絶望していたのだろう。『帰魂譚... 続きを読む |
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