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出星前夜 (単行本)

飯嶋 和一 (著)
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商品の説明

内容紹介

『黄金旅風』で有家の子どもを救うために呼ばれた外崎恵舟。しかし、この外崎が南目の代官所に追放されてしまう。
この事件に怒りを覚えた矢矩鍬之介を筆頭とする若衆が終結。折しも代官所で火災が発生し、
代官所はこの火災を集結した若衆の仕業と決め討伐に向かうが、返り討ちにあってしまう。それは、これまで一切の
抵抗をしてこなかった旧キリシタンの土地で起こった初めての武装蜂起だった・・・。


内容(「BOOK」データベースより)

すべての民にとって不満のない世などありえない。しかし、民を死に追いやる政事のどこに正義があるというのか。寛永十四年陰暦七月、二十年にも及ぶ藩政の理不尽に耐え続けた島原の民衆は、最後の矜持を守るため破滅への道をたどり始めた。

登録情報

  • 単行本: 544ページ
  • 出版社: 小学館 (2008/8/1)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4093862079
  • ISBN-13: 978-4093862073
  • 発売日: 2008/8/1
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 4.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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26 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 数年に一度、読んで日頃の溜飲を下げる楽しみ, 2008/8/31
By shinyaosawa - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
 感動的なふたつの場面がある。
 ひとつ目は第1部のはじめ、外崎恵舟の夢に宣教師マグダレナが現れ、啓示を与える場面。もうひとつは第2部、島原の乱終結後、復讐を決意する寿安に、町の人々が救いを求める場面。いずれも登場人物のその後の生き方を決定する出来事として描かれているが、決してキリスト教の奇跡を讃えたものではない。
 むしろ作者は、島原の乱が、無知蒙昧な民衆の信仰の極みとして起こったのではなく、身分制度にあぐらをかく理不尽な為政者に対する民衆のやむにやまれぬ反乱であり、ひいては幕藩体制そのものへの批判として勃発した内戦としてとらえている。
 したがって、作者の目線はこれまでの作品同様市井におけるヒーローにあり、権力者たちはちっとも英雄にふさわしくないところが痛快であり、現代社会にも通じる反骨精神がたまらないのである。
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9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 その10年間に何を思った?, 2009/2/17
天草四郎ではなく矢矩鍬之介にスポットライトを当てて島原の乱を描くという発想は非常に興味深い。本書によると鍬之介は島原の乱のきっかけとなる教会堂跡での騒動を起こした少年であるが、蜂起の虚しさにも気づいていた。人々を救うための薬を求めて長崎に行ったがために、島原の乱には加わることができず、また、結果として、薬を届けることも出来なかった。最後は代官所の警備と刺し違えて死のうとするが、死に切れなかったらしい。

誰もが平常心を保てない一揆の中で、鍬之介は自暴自棄であるけれども命の重さも受け止める人間味ある存在として描かれている。人間味ある鍬之介であればこそ、島原の乱をどう捉えていたか、非常に興味のあるところであるが、鍬之介の描かれ方は中途半端で不満が残る。特に、安っぽいドラマみたいに『それから10年後』が語られるくだり。

ここには書かれていないが、島原の乱の後、代官の鈴木重成が天草の石高半減の願書を残して切腹し幕府に抗議。二代目の代官重辰も石高半減を訴え、ついに1659年に石高半減が認められる。すなわち、著者が締めた『10年後』も島原の乱は現在進行中だったはずだ。数少ない生存者である鍬之介が10年間何を思ったのか?もう一歩踏み込んで欲しかった。
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24 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 次回作も待ってます!, 2008/8/20
この著者の作品は本書を初めて読む、という人はいないと思いますが、
とりあえず前著『黄金旅風』を読んですぐとりかかることをおすすめします。

『黄金〜』の主人公が登場しますし、いくつかのエピソードが『出星〜』では
大きく取り上げられているからです。

さて本書。著者のこれまでの著書では『神無き月〜』にいちばん近しい、
と思いました(ちなみに両著とも亡きご友人にささげられています)。

雷電(『雷電本紀』)、幸吉、源太郎、伊兵衛(『始祖鳥記』)、平蔵、才介
(『黄金旅風』)といった、非常に魅力的人物の生き様によって、生きていく力
をもらえるのが、この著者の作品の特徴だと思います。

「小説」と呼ばれるものがあまたあるなかで、この著者の作品を再読、再々読して
しまうのは、その「力」を借りるためなのです。

そういう意味では、今回は「人」ではなく「島原の乱」という事象が主人公なので、
いささか物足りなさを感じました。
寿安、監物らにもっとスポットを当ててほしかった。

それから、後半、本丸や二の丸の位置関係がわからなくなって迷子になってしまい
、かみしめた奥歯で顎の線が浮き立ってしまいました。
ですから、あるいは図を描きながら読むといいかもしれませんよ。

それでも、読んでいると「今そこにいる」ような気になるのは、群を抜く描写力の
せいですか。

ああ、次回作まで今度は何年待たされるのか……。
いつままででも待ちますが!!


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