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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
手に汗にぎる対決,
By kagyu (千葉県夷隅郡) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチ (単行本)
いやはや、壮絶に面白かったです。出家を考える人間にとって、本書ほど役に立つ本はないでしょう。この対談は現代の曹洞禅と現代のテーラワーダ仏教との息詰まる対決になっています。この両者は緊張をはらんだ関係にあります。テーラワーダ仏教(小乗仏教)は原始仏教の直系を自認し、大乗は仏教ではないと思っているはずです。一方、曹洞禅は大乗仏教のなかでは最も原始仏教に近く、「正伝の仏法」を自認して、小乗を否定する立場にあります。実は私も、クシナガラのミャンマー僧院で、若い僧から「テーラワーダ仏教と日本のZENとどちらが優れていると思うか?」と聞かれたことがあります。その僧はZENを紹介した英語の小さな本も持っていて、それなりに勉強しているのです。私は答えに窮しました。彼は「私はテーラワーダ仏教のほうがすぐれていると思う。なぜなら・・・」と説明までするのです。私は彼の率直な人柄に爽やかささえ感じたものです。 もちろん、修行者によって、力量に差があるので、宗派の優劣はそう簡単につけられるものではありません。例えば、道元禅師はテーラワーダの人々も認めるほどの傑出した人物ですが、じゃあ、曹洞禅をやれば道元禅師のようになれるか、というと、そんなに簡単なものではなさそうです。ことによると、テーラワーダ仏教で修行したほうが、道元禅師に近づけるかもしれないわけで。ですから、宗派の優劣はそう簡単にはわかりません。しかし、本気で悟りを求める人間にとっては「どちらの方がいいのか」はやはり大変気になるところです。正直、私はそういう視点で読んだのですが、すさまじく面白かったです。実はこの問いの答えはわたしなりに出てしまいました。 本書の中で最も印象的だったのは、南氏が「自分の体験はこれで全部だ。これはどの程度のものですか」とさらけ出してぶつかっていったところです。地位も名誉もある人でしょうに、それを失うかもしれないリスクをよくも冒したものです。なんという勇気!手に汗にぎる対決とはこのことです。
28 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「愛を語るなよ」(本文P235から),
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レビュー対象商品: 出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチ (単行本)
書名から受ける一般的なイメージとは異なるのではと感じつつ、仏教の「参考書」とスマナサーラ氏は語っている。 南氏は自身の疑問点、関心のある点を素直に問うている。 そして、それに長老が明解に答えている。 巷にあふれる言論を整理するのにも役立つ。 思考力、大いに上がる。
11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「サンガ新書」で再刊すべき本,
By ビン・ラーディン (大阪市内) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 出家の覚悟―日本を救う仏教からのアプローチ (単行本)
この対談本の両著者ともに、朝日ニュースターの番組『ニュースの深層』の宮崎哲弥がキャスターの回にゲストでよばれた事があり、それぞれ強烈な印象を残していた。その両者の対談、ってことで俄然食指が動いた。 対談の内容については、ほぼ期待通りであったが、もう少し仏教の教義に関する専門的な内容に触れて欲しかった(特にスマナサーラ師)。 本書の最大の欠点は本がデカ過ぎること。 読めばすぐ分かるとおり、対談の内容は専門的な教義には殆ど立ち入らず、両者の体験談をもとにした、くだけた口調での人生論や世相談義。仏教その他の分野の専門知識は全く必要ない。つまり、素人に向けた、現代風仏教的生き方への案内書なのである。 よって、読み方としては、家で机に向かってひもとくというよりも、通勤・通学途上や寝転んで読むのに相応しい内容だと私は思った。 しかるに、この本のデカさ!スマナサーラ師の他の著書同様、「サンガ新書」の一冊として早急に再刊すべき本だと思う。 以下、特に印象的だった言葉を記す。 ス(マナサーナ)― お釈迦さまもパーリ経典で、「信仰はばくちだ」とおっしゃっています。(p.29) 南― そうしたら、母親が泣きながら「直ちゃん(俗名は「直哉(なおや)」)、今、お寺の跡取りでもない人が出家するといったら、普通は、女性かお金で失敗した人よ」といったことを言うのです。(p.36) 南― 被差別部落民ですとか、朝鮮人に死後就けられた戒名の差別主義というのは、それはひどかった。特におもしろいことに、曹洞宗が最も激しかったのですね。(p.66) ス― それから、言語というのはコミュニケーションのために生まれたものであって、何か真理を説明するためにできたものではないのです。(p.104) ス― そのことで私は、世界で紛れもなく一流の仏教学者である中村元先生に、結構ケチをつけるのです。(p.106) ス― 自殺志願者が来て、ある一人を除いて、自殺した人はいません。その人は、私の手の及ばないところで死んでしまったのです。(p.167) 南― この前、中学の講演で「夢を捨てろ」という話をしたのです。(p.196)
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