本書はご存知のように大学受験における現代文・小論文の分野で名を馳せている出口氏と家庭教師のトライのコラボレーションである。
氏の「論理エンジン」をベースにトライの「対話教授法」を採用することにより、前作『出口汪の日本語トレーニング・プリント 』を超えた完成度になっている。
すなわち、母・姉・弟が、お笑いよろしくそれぞれ教師・ツッコミ・ボケの役割を好演し、それが正確に読解する上での着眼点やヒントを与えているのだ。
さらにその掛け合いが一層学習者の好奇心を刺激し、レイアウトも含め格段に理解しやすい構成になっている。
とは言うものの、言語能力の発達した(国語力のある)小学4年生であれば概ね独習可能であるが、
文章を読むのに抵抗のあるお子さんが、解説を活用し理解しながら独習するのは難しいかも知れない。指導者と一緒に楽しみながら学習するのが望ましい。
可能なら下見にて確認されたし。
本冊では、芥川龍之介の名作『蜘蛛の糸』と『杜子春』を問題文の題材に、「文章の要点」や「長い文の要点」、「正確な文章を書く」、「接続語と指示語」など
の基礎についてトレーニングしながら学ぶ。
周知のように、国語に限らず英語(言語全般)においても正確に読めなければ、正確には書けない。
本冊では正確に読解した上で要点を押えながら正確な文章を書けるようになることを主な狙いとしている。
国語(現代文)が気になる高校・大学・公務員受験生のみならず論理的思考力の基礎を養成したい全ての方に手にしてもらいたいシリーズである。
尚、苦手な小中学生は『国語なぞペー 』からはいるのも良いと思う。
余談だが、評者には、芥川氏はこの頃すでに自身をも含めて人間の存在理由を模索していたことが前記2点の作品を通じて覗えた。