いい本なのに、意味不明なタイトルで損をしていると思う。
会社法を学んでも出世できると思えないし、
少なくともこの本には出世につながるような要素はない。
冒頭で、「学生向けに」とも書いてあって、
(少なくとも今は)出世に無関係の人たちに、
宣伝する本ではないだろう。
あんなタイトルで書かれると、人前で堂々と読むのにも憚られ、
新書の持ち味である手軽さまでそがれるような気がする。
話はそれたが、内容自体はわかりやすく面白い。
初めから読む必要もなく、興味のある章からページをたぐることができる。
私は第6章の「ブルドックソース事件の謎」から読んだのだが、
あの事件の真の勝者は誰だったのか、
買収の防衛成功に沸いた株主は本当に救われたのか、
買収に対する和洋の摩擦はいかにして起こるのか等など
メディアでは決して分析しつくせない内容を、
非常にコンパクトにまとめている。
最高裁判例も、非常に日本的な事なかれ主義が貫かれていることがわかり、
この分野の法律が、欧米に比べて遅れていると言われるのもむべなるかなと思った。
資格試験(司法書士等)で会社法に取りくまざるを得ない人にとっては、
格好の足がかかりになると思う。この本は、そういう会社法ニーズが高い人に向けて
宣伝すべきであり、出世を目指す人をマーケティング対象にすべきではなかった。