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処女懐胎―描かれた「奇跡」と「聖家族」 (中公新書)
 
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処女懐胎―描かれた「奇跡」と「聖家族」 (中公新書) [新書]

岡田 温司
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

処女にしてキリストを宿したとされるマリア。処女懐胎はキリスト教の中心に横たわる奇跡であり、夥しい図像を生み出してきた。「無原罪」の「罪がない」という否定の図像化一つとってみても、西洋絵画に与えたインスピレーションは巨大である。また、「養父」ヨセフや、「マリアの母」アンナはどのように描かれてきたのか。キリスト教が培ってきた柔軟な発想と表象を、キリストの「家族」運命の変転を辿りつつ描き出す。

内容(「BOOK」データベースより)

処女にしてキリストを宿したとされるマリア。処女懐胎はキリスト教の中心に横たわる奇跡であり、夥しい図像を生み出してきた。「無原罪」の「~がない」という否定形の図像化一つとってみても、西洋絵画に与えたインスピレーションは巨大である。また、「養父」ヨセフや、「マリアの母」アンナはどのように描かれてきたのか。キリスト教が培ってきた柔軟な発想と表象を、キリストの「家族」の運命の変転を辿りつつ描き出す。

登録情報

  • 新書: 274ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2007/01)
  • ISBN-10: 4121018796
  • ISBN-13: 978-4121018793
  • 発売日: 2007/01
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
著者の前作「マグダラのマリア」(ISBN-13:978-4121017819)が良かったので読んでみました。読みやすい文章と多くの図版で楽しく読めました。

内容は受胎告知、無原罪の御宿り、ヨセフ、アンナの4章で構成されています。美術書として読んだので、最初30ページ程度が聖書、外典などの文献の引用して書いてあるので読むのに時間がかかりましたが、その後は一気に読めました。第1章の受胎告知は今までフラ・アンジェリコのイメージが強く、あとは画家が違うだけの印象しかなかったのですが、天からの光の向きなど微妙な違いが興味深かったです。第2章の無原罪の御宿りは、ムリーリョのイメージが今まで強かったのですが、時代により表現が少しずつ変化し、これほど多様なタイプの絵があるとは知りませんでした。第3、4章のヨセフとアンナは時代の経過で浮き沈みがあるのが興味深かったです。特にヨセフの変わりに旧約のアブラハム、アンナに関連して聖親族の図像が出てくるところなどは勉強になりました。図版は大半がイタリア、後半にドイツの絵画が掲載されています。なかにはレアな図版もあります。第4章を読んでフランクフルトに行きたくなりました。

本来は星5としたいのですが、星4としたのは巻頭のカラー図版で解像度の悪い絵画が数点あるためです。あと、書名は他に考えられなかったのでしようか?「処女懐胎」だと書店で手に取らない人もいると思います。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
イエス・キリストの母親の両親の名前がヨセフとマリアだということは、クリスチャンでなくてもほとんどの人が知っている。我々が手にする聖書にも書いてある。では、マリアの両親がアンナとヨアキムで、アンナにはヨアキムの他に再婚した亭主が二人いて、それぞれとの間に娘がいて(つまり、マリアの異父妹)、その妹たちに子供達があって(つまり、イエスの従兄弟達)、この大家族が集合した場面を「聖親族」として描いた絵画が多数残されている、ということは多くの日本人は知らない。我々が手にする聖書にも一言も触れられていない。

まして、イエスの祖母であるアンナがマリアに機織りを教えていたとか、聖書の読み方を教えたとか、多くのヨーロッパ中世の絵画のモチーフは、聖書に基づかずキリスト教の周辺伝説に基づいている。これらの伝説の多くは、イエスの死後百年から数百年の間に民間伝承と混淆しながら形成されたものだという。

本書を一通り読み終わると、頭に輪っかを乗せた女性が二人と赤子が描かれていたらアンナとマリアとイエスで、手を広げた女性が蛇を踏んでいたら「無原罪の御宿り」という図象であるということや、女性の耳に鳩が飛び込みそうになっていたら聖霊によって妊娠する瞬間のマリアだということが理解される。

これらは、いわば中世ヨーロッパの宗教画を理解するためのお約束ごとのようなもので、こうして一通りの解説を受けると、改めてルーブルやメトロポリタンに行ってみたくなる。

なお、さらに詳しくイエス伝説を知るためには、荒井献編 新約聖書外典が参考になる。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 楡岡
形式:新書
 聖母マリアとその家族に関する、教義や捉え方の変遷を、主に絵画の意匠の変化から読み取る。マリアが無原罪であるという表現は、どう工夫されたのか、マリアの父ヨセフの取り扱いは、時代によりどう変わるかなど。

 宗教絵画が教義を表すために、どんな要請を受けて、どんな表現になるかなどは、美術的観点から宗教絵画を見るうえでも心得ておくほうが良い。

 キリスト教・絵画、両者への興味が無いと読み通すのは辛いだろう。
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