ベルイマン自身は神の存在を信じているのかと問われれば、やはり信じているのではないかと思う。目に入れても痛くない娘カーリンを強姦されたあげく殺され、しかも自ら復讐のために殺人を犯すテーレ(マックス・フォン・シドー)。神が与えた過酷な試練により、テーレ一家は絶望の淵に追いやられる。「それでも私は許しを請う。そうでなければ生きていけないからだ」と泣き崩れるテーレがカーリンの亡骸を抱き上げたその時、試練に耐えた一家の前に<泉>となって神が姿を現すのだ。
最後の晩餐を思わせる一家の食事風景や、ラオウのように強盗殺人ブラザースの寝覚めを待つ怒りに燃えるテーレ、そしてエンディングのピエタと祈り。スヴェン・ニクヴィストが撮ったこれらの映像は、宗教画のごとき荘厳な雰囲気をかもし出している。極東の民族には想像もつかないくらい重いテーマである<罪の意識>そして<信仰の意味>について言及した問題作を、重厚な映像でつづっている。
しかし、ベルイマン作品のDVDがTSUTAYAに置いていないのなぜだろう。BSでもほとんど放送されることのない彼の作品を見るためには、AMAZONでDVDを買うしかないのである(宣伝しときました)。絶望の淵に沈んでいた私に一筋の光明がさしこんだ。年末、おくらばせながら、BSでベルイマン特集が放映されます。興味のある人は要チェックですよ。