「若さに価値などない」、「若いうちの失敗は許されない」、「性欲が強い人は子育てがうまい」、「友達なんか、いらない」などなど、かなり挑発的な小見出しが踊っている。
しかし、そこに通低するのは著者の実体験から導き出されたまぎれもない本音である。もちろん、背表紙の文言には「押井哲学の真髄」とあるが、決して哲学と呼べるようなしろものではない。なぜなら少なくとも論証が全くなされていないからだ。
むしろ、このろくでもない現代社会をどう理解し、いかに向き合ってきたかについての、著者の格闘の軌跡が綴られた散文と見るべきであろうと思われた。
「無意味な言葉が再生産され、模倣された言葉が激しく流通する現状にあって、有効な言葉、何かしらの本質のありかを、ずばり言い当てる言葉が今こそ必要」という著者のメッセージが心に残った。
そうして、世の中の95%を占める我々、凡人に対する珠玉のメッセージがこめられた良い本だと思った。