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35 人中、33人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
95%の凡人に対するメッセージ,
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レビュー対象商品: 凡人として生きるということ (幻冬舎新書) (新書)
「若さに価値などない」、「若いうちの失敗は許されない」、「性欲が強い人は子育てがうまい」、「友達なんか、いらない」などなど、かなり挑発的な小見出しが踊っている。
しかし、そこに通低するのは著者の実体験から導き出されたまぎれもない本音である。もちろん、背表紙の文言には「押井哲学の真髄」とあるが、決して哲学と呼べるようなしろものではない。なぜなら少なくとも論証が全くなされていないからだ。 むしろ、このろくでもない現代社会をどう理解し、いかに向き合ってきたかについての、著者の格闘の軌跡が綴られた散文と見るべきであろうと思われた。 「無意味な言葉が再生産され、模倣された言葉が激しく流通する現状にあって、有効な言葉、何かしらの本質のありかを、ずばり言い当てる言葉が今こそ必要」という著者のメッセージが心に残った。 そうして、世の中の95%を占める我々、凡人に対する珠玉のメッセージがこめられた良い本だと思った。
25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
映画「スカイ・クロラ」のメッセージを文章にしたもの,
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レビュー対象商品: 凡人として生きるということ (幻冬舎新書) (新書)
本書で押井さんが、ろくでもないと考える世界(現代の日本社会)に生きる若者へ伝えるメインメッセージは以下の二つ
1.人生の選択を留保しないこと 人生とは選択の連続である。他者を受け入れたり、自分の尺度で富や名誉ではない自分の美学と情熱を持ち、その目的の為に勝負し続けること。勝負は諦めた時こそ勝負に負けるとき このメッセージは映画では、優一が、I kill my father と言って最強の敵「大人の男であるTeacher」に一人で挑む行動で描かれています 2.社会と関わりを持つこと 秋葉原のメイドでいい。仕事をすること。それによって人と関わり、社会と繋がることができ自分の社会での居場所や存在意義が見出せる。ネットで繋がるだけの社会よりも、仕事で繋がる社会の方がきっと面白いはず。そして自分を高めてくれる仕事仲間をみつけること。損得勘定抜きでつきあえる友人なんていなくていい 押井さんは評論家でも文化人でもないので、文章での表現は完璧ではありませんが、この病んだ社会に生きる若者に映画と平行してメッセージを発したいという強い思いと、その社会への深い洞察から生まれたメッセージは強く心に響くものがありました 映画だけでなく、本書もぜひ多くの若者に目を通してもらい、何か大切なものを掴んで頂けたらと思います
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
『スカイ・クロラ』を観てもらうための本,
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レビュー対象商品: 凡人として生きるということ (幻冬舎新書) (新書)
映画『スカイ・クロラ』の公開から3年、DVD化からも大分経ちました。
劇場公開に先駆けて『他力本願』と共に同社から出版された本書のレビューなど、誰も読まないかも知れません。 しかし、『スカイ・クロラ』の興行が終わっているからこそ、押井ファンの1人として記したいことがあります。 読中、読後を通して感じていたのは「押井監督らしくない」という違和感でした。 本書の内容は、どこか現代の若者に向けたエールのように綴られていきます。今を悩み生きるニートや学生、フリーターが、少しでも社会に適合していけるよう、楽に生きられるようにと、諭し、励ますような印象です。 押井監督は、本書以前に出版された『勝つために戦え!』(2006年 エンターブレイン発行)で、ニートについて以下のように述べています。 「実家の二階に引きこもり、(中略)いいじゃない、それで」 「建前としてニートは良くないっていろいろ言うけど、(中略)ナショナリズムを声高に叫ぶ人間よりはいいんじゃないの?」 「一義的に必要ない人間は排除するという共同体はろくなもんじゃない」 対談相手が「将来的に親が死んだらどうするかは自分で考えろと」と述べると、「そりゃあそうだよ。」 ここでの押井監督は、どちらかと言えばニートを容認しつつも、その結果は自ら甘受しろという姿勢のような気がします。私がそれまで様々な作品で抱いてきた監督像は、まさにこれでした。 しかし本書では、まるで新聞の相談欄のような様相です。私はここに大きな違和感を覚えました。 本作以前の私の監督像が正しいものだと仮定すると、疑問なのが「なぜ本書これほどまでに俗世間的な話題と語り口なのか?」ということです。 私なりの答えは「押井監督が『スカイ・クロラ』のプロモーションにも一定の責任を持ったからだ」というものです。 どこで読んだのか、または聞いたのかは忘れましたが、押井監督は同作について 「これまでは作品を完成させるまでが映画監督の仕事と思ってやってきた。 だけど今回は、大勢の人たちに届けるまで責任を持ちたいと思う」 という旨の発言をしていたと記憶しています。 大作『イノセンス』では、スタジオジブリの鈴木敏夫さんがその役割を担っていました。 主題歌によるイメージ作り、声優に顔の売れているタレントを起用、新聞やテレビ等のマスメディアへの露出は、その代表的手法かと思います。 押井監督はそれまで、これら手法に消極的であったはずです。 しかしながら本作では、監督自らがその任に就いたため、積極的な参加を余儀なくされたのではないでしょうか。 文芸邦画で名の知れた若手脚本家の起用、若者に人気の有名歌手による主題歌、テレビタレントによるアテレコ、そして極めつけはテレホンショッキングに監督自ら出演など、これまでの押井作品では考えられないような手法のオンパレードでした。 押井作品を知らない人に興味を持ってもらう。より多くのお客さんに劇場へ足を運ばせる。その活動の一環で出版されたのが、本書『凡人として生きるということ』と、『他力本願』なのではないでしょうか。 前者は学生やニートななどの若者でも読みやすい新書という形態で、後者は社会人に向けてビジネス書の体裁で出された、広告活動の一環であったと推測します。 Amazonでの本書の売上は上位、レビュー数も2番目に多いようです。きっと多く方が手に取り、そして反応したくなるような内容だったのでしょう。要所で名前の登場する『スカイ・クロラ』に興味を抱き、劇場へ行った方も多かったでしょう。 「本書は映画の宣伝であった」というのは、あくまでも私の推測です。でも、押井監督がよく言いますが、確信的推測ってやつです。 肝心の本書の評価なのですが、★★でしょうか。他の著作に比べ「押井色」が極めて薄く、毒にも薬にもならないというのが正直な感想です。「社会人未満」の私ですが、共感できる箇所が少なかったです。それまでの著作のほうが、よっぽど生きる気力が湧いてきます。 大変長くなってしましました。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。 最後の締めといたしまして、気になる『スカイ・クロラ』の興行成績について、押井監督の著作からの引用で終わりたいと思います。 「『スカイ』は『イノセンス』の予算の半分で『イノセンス』に近い動員を果たした(中略)。(製作委員会から)評価された。テレビもの、マンガ原作ものじゃないアニメーションでそこまで行けたって。とりあえずペイして利益をもたらした。」 ________________________『勝つために戦え! 監督篇』(2010年 徳間書店発行)
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