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経済書としてはさらに評価は落ちる。すでに他の評者が指摘してるように、この小説で不良債権問題は単なるサイドストーリー。「不良債権に切り込んだ」という宣伝は看板に偽りあり。他に、登場人物が延々と繰り広げる経済談義は陳腐そのもの。外資金融の現場体験を売りにしてるようだが、その現場の描写にも全くリアリティがない。
一般に経済小説は、経済の分析では経済書に負け、即時性では新聞・テレビに負ける。だから小説ならではの最新仮説の提示や、意外なプロットが欲しいのだが、この小説にはそれがない。(『日本国債』のように経済学的に疑問が残る論理で一方的に危機を煽るのも何かと思うが、もう少し踏み込んだ(しかし客観的な)視点がほしい。)
幸田さんは、国債増発問題、IT革命、など、常に現実の経済を1~2年遅れで小説化してきた。しかし、そうやって流行を安易に後追いしてもこの程度の小説にしかならない。もっと大胆なプロットで、さらに経済書よりも深く踏み込んだ分析を採り入れた小説を読みたいものである。流行を後追いして、話題性だけで売れる小説を目指すより、書きたい小説を書いてほしい。幸田さんにはそれができるのではないか、と期待している。
日経新聞を理解できるレベルの層にはあまりお勧めできない。金融も経済も何も知らないという人には読み物としておもしろいのかもしれないが。
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