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[単行本]

沢木 耕太郎
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (41件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第28回(2006年) 講談社ノンフィクション賞受賞

出版社 / 著者からの内容紹介

世界最強のクライマー・山野井夫妻を襲った「一瞬の魔」。しばしの逡巡の後、宙吊りになった妻の頭上で迫られた究極の決断とは。『檀』以来十年ぶりとなる、待望久しい最新ノンフィクション長編。

登録情報

  • 単行本: 300ページ
  • 出版社: 新潮社 (2005/9/29)
  • ISBN-10: 410327512X
  • ISBN-13: 978-4103275121
  • 発売日: 2005/9/29
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (41件のカスタマーレビュー)
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30 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
書店に並んでいるのをみて、衝動買いしてしまいました。

世界的なアルパインクライマー・山野井夫妻の、2002年10月・世界第15位の高峰・ギャチュンカン北壁登攀からの生還の記録を書いたノンフィクションです。

山野井泰史さんを書いた本は、

「ソロ」

「垂直の記憶」

に続いて3冊目になります。

殆どギャチュンカン北壁登攀のみにスポットが当てられた作品で、

淡々とした文章によって、この登攀の一部始終が細かく書かれています。

執筆者の主観や、特殊な形容などが極力省かれた形で書かれているため、等身大のドキュメントとしてリアルに感じられます。

ただ、登山未経験者でもわかりやすいよう、国境の時差やクライミングギア等の説明が丁寧に書かれているため、知識のある人にとってはくどい文章に感じてしまうかもしれません。

特に、ギャチュンカン登頂後の下降中における、雪崩などのアクシデントや究極のビバークのシーンは物語のハイライトであり、必読です。

山野井氏本人による著書「垂直の記憶」でも、ギャチュンカンの描写はありましたが、

この本では氏のヒマラヤ登攀記録をすべて満遍なく取り上げているために省略されている部分が多々ありました。

この「凍」は、

「深夜特急」で有名な沢木耕太郎氏が「新潮」で連載していたものですが、

細かい取材がなされていたのか、「垂直の記憶」のそれよりも描写は緻密です。

しかし読みやすいので、すぐに読めてしまうと思います。

今の世の中に、現実にこんな人がいるのか、ということを知ってもらいたいですね。

このレビューは参考になりましたか?
22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
彼らは最初から、ふつうの人たちとは違っているのだと思う。
山に登る話は、よく美しい表現がされていて、
読む側が勘違いしてしまうが、
ここには、喜びや苦痛を含めた、リアルな人間像が描かれており、
自分とは違うけれど、魅力的な生き方をしている人の姿を
感じ取ることができる。
生きることと死ぬことが、常に隣り合わせの登山家にとっては、
どっちを取るかは、驚くほど簡単な回路で選択できてしまう
自分が生きのびるという観点から判断するという
シンプルで恐ろしい解決のしかたなのだけれど、
これは、自分たちが日々の暮らしの中でこだわっている小さな問題を
簡単に吹き飛ばしてしまうほど、迫力がある。
身体的なダメージを受けても、人が望むことが
これほどの迫力を持つ物なのかと驚いて読んだ。
真実だから、すばらしいのかもしれない。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本書は『新潮』2005年8月号に一挙掲載された「百の谷、雪の嶺」を改題・出版したもので、登山家・山野井泰史・妙子夫妻が中国・ネパール国境の山・ギャチュンカン(7952メートル)に北壁から挑戦した際の壮絶な登攀を描いています。約8000メートルの山に登ること自体が非常に厳しい闘いです。妙子氏は7500メートルから上を目指そうとした段階で体調不良のため登頂を断念、泰史氏が単独登頂を果たします。しかし、雪氷と雪崩、悪天候、凍傷に見舞われ、ベースキャンプ(約5500メートル)までの夫妻のそれぞれの下山行はまさに「闘い」です。下山後、泰史氏は凍傷にかかった右足の指5本と左右の手の薬指と小指を付け根から失いました。妙子氏は両手の指を付け根から失いました(ただし、両手の第二間接から上の指はギャチュカン以前の凍傷で既に切断)。

 レビュアーは登山には素人なので、山野井夫妻の登攀スキルの高さを、実感を持って理解できるわけではありません。しかし、描写されるような困難な状況で、冷静な判断をほとんど失わずに壁面を降下するのに必要な作業を淡々と実行できる山野井夫妻の凄さが伝わってきます。それほど高い登攀スキルを有している泰史氏でも下山中、疲労のために幻覚を見、焦りから壁面降下の手順を省略し、ロープに足を挟まれて身動きが取れなくなるというミスを犯してしまいます。これが一層、胸に迫ります。具体的に「何」が衝撃的かを特定することは困難ですが、読後の衝撃が体から抜けません。
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