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世界的なアルパインクライマー・山野井夫妻の、2002年10月・世界第15位の高峰・ギャチュンカン北壁登攀からの生還の記録を書いたノンフィクションです。
山野井泰史さんを書いた本は、
「ソロ」
「垂直の記憶」
に続いて3冊目になります。
殆どギャチュンカン北壁登攀のみにスポットが当てられた作品で、
淡々とした文章によって、この登攀の一部始終が細かく書かれています。
執筆者の主観や、特殊な形容などが極力省かれた形で書かれているため、等身大のドキュメントとしてリアルに感じられます。
ただ、登山未経験者でもわかりやすいよう、国境の時差やクライミングギア等の説明が丁寧に書かれているため、知識のある人にとってはくどい文章に感じてしまうかもしれません。
特に、ギャチュンカン登頂後の下降中における、雪崩などのアクシデントや究極のビバークのシーンは物語のハイライトであり、必読です。
山野井氏本人による著書「垂直の記憶」でも、ギャチュンカンの描写はありましたが、
この本では氏のヒマラヤ登攀記録をすべて満遍なく取り上げているために省略されている部分が多々ありました。
この「凍」は、
「深夜特急」で有名な沢木耕太郎氏が「新潮」で連載していたものですが、
細かい取材がなされていたのか、「垂直の記憶」のそれよりも描写は緻密です。
しかし読みやすいので、すぐに読めてしまうと思います。
今の世の中に、現実にこんな人がいるのか、ということを知ってもらいたいですね。
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