本作は、帝政ロシア末期、ロシア北岸をヨーロッパから、
ベーリング海峡へと抜ける、北東航路探検へと出発し、消息不明のあと、
二年もの歳月を経て、祖国の土を再び踏んだ男の記録である。
著者ヴァレリアン・アルバーノフは、氷に閉ざされ、身動きの取れなくなった、
乗艦聖アンナ号を脱出、氷上を仲間と共に生への長い旅へと出る。
途上、一行に襲いかかる、飢えと寒さ等、様々な苦難を乗り越える姿は、
真に感動を読む者に与えてくれる。
また、一行を引き入るアルバーノフのリーダーシップは、我々に幾つもの
教訓を与えてくれる。
自然との闘いに、勝利し、生きて祖国に帰れる者には、やはりそれ相応の理由があり、
一方で、敗れ、死した者にも当然の理由があるという事を教えてくれている。
それにしても地球上に未知なる大陸、未知なる海、未開の奥地があった頃の冒険は、
男として、そのロマンに憧れます。