眼鏡系の鬼畜攻と、淫らな身体を持つ美形の御曹司の組み合わせから、著者の「
夜ごと蜜は滴りて (リンクスロマンス)」と同じパターンかと思いましたが、あちらとは性格の違う二人なのでまた別のストーリー、別の着地点となり新鮮な気持ちで楽しみました。
2段組で少しおじけづいたのですが、読み応えのあるストーリーで、お互いに執着し合う二人の駆け引きに夢中になって読み終えました。
温厚そうな外見に反してクールで計算高い詐欺師の桐谷は、正義感の強い伯爵家の子息の侑生に仕事を邪魔されて、それをきっかけに侑生に興味を持ちます。
桐谷は侑生がただ美しいだけの御曹司ではないと思い、彼をどうにかして自分の仲間に引き込みたいと考えます。そのためにも侑生を落とそうとするのですが、侑生は桐谷が思うとおりにただの御曹司ではないので、一筋縄ではいきません。自分を欲しがる桐谷に対し、侑生は全力で抵抗します。
桐谷の強い執着や侑生への思いは早い内に明確になりますが、侑生がなかなか自分の感情を認められないので、身体の関係はできてもすぐにはくっつきません。
そのあたりの二人の駆け引きの面白さや、石竜や棗などの脇役の魅力もあり、話にめりはりがあったと思います。特に当て馬の石竜が無頼ないい男で、侑生にはこっちとくっついてほしいと何度も思いました(笑)。挿絵からも男の色気をびしびし感じました。
エロも淫靡で色っぽく濃厚で、疑似3Pなど様々なパターンで楽しみました。直接的な言葉を使わないのにすごくいやらしいシーンの描写はさすがだと思いました。特に侑生が心は潔癖でも身体は淫乱という設定なので、嫌がりながら落ちていくところがすごくよかったです。
梨さんの繊細で色っぽいイラストもたっぷり入っていて、世界観に浸れました。
当初は「
バロックの裔―無垢なまなざし (リンクスロマンス)」のスピンオフとして書いたそうですが、内容的に関係なくなったので単独の作品として発売したとのこと。実際、この本だけでも十分に楽しめました。