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冷血 (新潮文庫)
 
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冷血 (新潮文庫) [文庫]

トルーマン カポーティ , Truman Capote , 佐々田 雅子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (28件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行。そして犯人2名が絞首刑に処せられるまでを見届けた。捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル―。様々な物議をかもした、衝撃のノンフィクション・ノヴェル。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

カポーティ,トルーマン
1924‐1984。ルイジアナ州ニューオーリンズ生れ。21歳の時「ミリアム」でO・ヘンリ賞を受賞(同賞は計3回受賞)。’48年『遠い声 遠い部屋』を刊行、早熟の天才―恐るべき子供、と注目を浴びた。晩年はアルコールと薬物中毒に苦しみ、ハリウッドの友人宅で急死した

佐々田 雅子
1947年生れ。立教大学英米文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 623ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/06)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4102095063
  • ISBN-13: 978-4102095065
  • 発売日: 2006/06
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (28件のカスタマーレビュー)
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37 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
待望(?)の新訳の文庫化です。そんな人いないとは思いますが、もし「夜の樹」や「遠い声 遠い部屋」なんかしか読んだことがなければ、同じ作者と咄嗟には了解できないかもしれません。この作品には、安易な言葉ではありますが、天才の情念と執念があります。読み進めていくうちに、なにかに手を入れたらいきなり手が抜けなくなったといったような怖さを多々覚え、読了前、後を隔てるなにかが自分のなかに芽生えているのを感じさせられます。「遠い声 遠い部屋」なんかは、自分の心の奥底に潜んでいる原初的な弱さを目の前に突きつけられそうで躊躇ってしまい、読むのに時間を要したのですが、この「冷血」はその長さを差し引いても、新聞に何ページにもわたって掲載された渾身のルポを読むような集中力と時間をこちらに求めてくる、そういう意味で時間のかかる作品でした。ジョージ・プリンプトンの「トルーマン・カポーティ」で一緒に写っている写真を見たせいか、ノーマン・メイラーの「裸者と死者」と似た手触りだともちらっと考えました。
ところで、最近(でもないですが)「百年の孤独」の改訳やこの「冷血」の新訳のように、CDのリマスターさながらに再発されますが、読み直すいいきっかけですね。どこが変わったのかはさっぱりわかりませんが(皮肉じゃないです)。ラルフ・エリスンの「見えない人間」なんかは早川文庫や黒人文学全集を二十年くらい探して結局見つけられなかったので、うれしかったです。
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23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 椿龍
映画をみる前にみておこうとおもいました。

「ティファニーで朝食を」でもそうだったのですが、彼の作品の後味はまたしても、快いもの

ではありません(映画と原作は、ご存知の方も多いでしょうが、別の話ですから)。

このタイトルの「冷血」とは、犯人の若者達を指すと同時に、おそらくは「執念」ともいえる

ほどの熱心さで事件の取材にのめりこんだ作者自信の、冷ややかな目と精神をも表しているの

ではないかと思いました。最後、「冷血」が処刑されるのを、見守る自分の「冷血」さをも、

彼は心に書き留めていたのだろうと思いました。それを読む読者の血まで凍るような、感じも

あります・・・・

無知、愚かさ、「キリストの受難」に描かれる、人間の罪深さについて考えさせられる

一冊です。

作者が命を削る思いでおそらくは仕上げたと思えるこの作品、ぜひともご一読いただき、

いろんな人と「熱く」ディスカッションしていただきたいとおもいます。
このレビューは参考になりましたか?
50 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
1959年11月15日(日)未明、カンザス州の片田舎で起きたショットガンによる一家惨殺事件。事件発生から、犯人逮捕、判決、そして絞首刑にいたるまでの5年の歳月を費やし、カポーティが惨殺された一家、その周辺、そして犯人たちの人となりに肉薄し、文学の新境地を切り拓いたノンフィクション・ノベル。

カポーティが5年間かけて徹底的に取材したというだけに、その情報量の豊富さ、緻密さに驚かされます。しかし、それ以上に驚かされるのは、殺人をおかした犯人たちの軽さ、または他者への想像力の欠如です。二人の犯人たち、そのうちとくにカポーティが強い関心を持ったというペリー・スミスは、その複雑な生い立ちゆえやや込み入った感情を見せます。それでも、無辜の人を殺した、という罪悪感や、その人たちに対する気持ちが一切文章から伝わってきません。そうした感情の欠如、という意味で、人間存在の底暗さを否応なく見せつけられました。

カポーティの、この本に賭ける意気込みは、映画「カポーティ」に詳しいので、そちらも併せて見られることをお勧めします。ある意味、カポーティはこの本を書き上げるために、犯人二人を死なせた(絞首刑の執行から救わなかった)わけで、そのあたりの葛藤がうまく映画になっています。カポーティは本書執筆後、一冊も本を仕上げることができないまま、20年後に亡くなっている。そんな事実も凄みを加えている、不気味さ漂う小説です。
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