一冊、母と娘のメモのやりとりだけでできています。
最初は、買い物のリストから、ついで、学校での勉強のことや、母親がつとめている産婦人科の病院のできごとなど。その背景が少しずつみえてくるようになっています。
そして母親の病気がおそいます。
母親の病気はどんどん進んでいくのですが、それでも、生活は続いていきます。だから買い物メモも続いていく。その日常が終わる、ということを母と娘はいつか認識したうえで生活を続けていくのです。
みじかな言葉のやりとりのなかに、さまざまな感情やできごとがみえます。
「お母さんはよくならないかもしれない。そう書いてしまうのは、とってもつらいことだけど、わかっている。なぜ、お母さんと私が、昨晩、そのことを話しあわなければならなかったかも。本当に、本当に、つらい。つらい」
たまたま映画『再会の街』を観たときにこの本を読みました。どちらも、家族の日常が奪われたときに人間はどうするか、ということについて独創的な方法論で感動をつむぎだしている作品だと思いました。
わたしはとてもこころを動かされました。