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冬至草 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
 
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冬至草 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) [単行本]

石黒 達昌
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,680 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

北海道・旭川の郷土図書館で見つかった新種の植物“冬至草”の押し葉。太平洋戦争期の在野研究者が遺した記録から、ウランを含んだ土壌に生息して人間の血液を養分とする異様な生態が明らかになっていく―科学という営為の光と影を追究した表題作、異端の天才科学者の半生が浮き彫りにする論理と倫理の相克「アブサルティに関する評伝」、終末医療の情景を宇宙的な死生観から綴った芥川賞候補作「目をとじるまでの短かい間」ほか、全6篇を収録。架空の動植物を媒介にして、生命と科学の本質を描きだす理系小説の完成形。

内容(「MARC」データベースより)

人間の血液を養分とする放射性植物の生態を描き、科学という営為の光と影を追究した表題作のほか、架空の動植物を媒介にして、生命と科学の本質を描きだす全6篇を収録。『文学界』ほか掲載を単行本化。

登録情報

  • 単行本: 305ページ
  • 出版社: 早川書房 (2006/06)
  • ISBN-10: 4152087358
  • ISBN-13: 978-4152087355
  • 発売日: 2006/06
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 450,175位 (本のベストセラーを見る)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
架空科学小説 2006/12/23
形式:単行本
稀少海洋生物由来の架空の抗癌物質を扱った「希望ホヤ」。

異様な生態をもつ架空の植物を扱った「冬至草」。

掌に月の残像が貼りついた男の話「月の・・・」。

オカルト的な病状の原因を追求する「デ・ムーア事件」。

終末医療・地方医療を扱った純文学的作品「目をとじるまでの短い間」。

真実をあらしめる為、事実を捏造する科学者の話「アブサルティに関する評伝」。

抑制された文体で描かれた六つの美しい理系文学作品。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By say
形式:単行本
 子供の頃読んだSFは子供故の知識のないことから、それがきっとあるんじゃないかとか、できるんじゃないかといつか適う未来の様子だと思って読んでいました。当時あった科学読み物である「月世界到着」や「音速に挑む」といった既に成功した科学の読み物と未来の物語は同列にあったのです。

 サイファイや、スペースオペラといったファンタジーよりのものを目にする機会の多いせいで、最近SFを読んでも、絵空事で終わることが多かったです。(それでも読み物としては十分たのしいのですが)

 今回は子供の頃のような、現代と地続きのSFで、新鮮な気持ちになれました。

 こんな人を知らなかったなんて正直反省しました。やはり自分は本を漁ってはいるけど、吟味するところまでは到ってないです。って読もうと思ったら絶版が多い〜。

 もったいない
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By USA3000
形式:単行本|Amazonが確認した購入
人間や社会に対する深い洞察や鋭い諷刺が読み取れる一方で、「そのように読み取れるのは、そのように読み取れるような嘘をこっちが考えたからだよー」と作者が笑っているのじゃないか、と疑ってしまうような作品ばかり。かなりストレートな文学作品『目をとじるまでの短い間』以外は、あまり肩を張らないで気楽に読めるのではないでしょうか。

例えば『デ・ムーア事件』では「収録にあたって原文に手を加えているが、まだ不自然になっている点があるかも知れない」という旨を書き手の「私」が補足説明しています。この”妙な本当っぽさ”に触れ、僕の頭の中には「全部ウソでした、ってどのタイミングで言おっかな〜」と心中ではニヤニヤしながらも、表情だけは真面目にしてリアルな嘘をつくイタズラっ子、というイメージが浮かんできて、こっちまでニヤニヤしてしまいました。

また『アブサルティに関する評伝』での、アブサルティが自分の”真実観”について語る場面は、本格ミステリ好きの方にオススメです。

「証明など必要なくて、データーは単に他の愚かな人間を納得させる便法に過ぎない」

「大説なのは真実が真実と認められることであって、どうやって真実を認識したのかは問題ではない」

という部分を読むと、笠井潔氏の「バイバイ、エンジェル」という作品の中で唱えられた「探偵は事件が起こった瞬間に真実を見抜いている」という説を思い出します。

石黒氏はかつてデビュー作「最終上映」の作中でも「病理というのは過去の中からトリックの中身をつきだして見せる謎解きのようなものだが、しかし現在進行形の中では隠れた真実などなんの意味も持たない」という旨のことを言っていますから、上記の”真実観”がミステリ的であるのは偶然ではないのでしょう。おそらくは石黒氏が医療や研究の現場における”真実”というものについて考えていった結果、”真実”というものが重要視される本格ミステリの言説に、必然的に似てしまったということなのだと思います。

ですから石黒氏がまた”真実”について書こうと思った時には、もしかしたらこういった視点からの本格ミステリを書くのかも知れません。

「本格ミステリを書くには稚気が必要だ」と綾辻行人氏が言っていますが、そうだとすれば石黒達昌というイタズラっ子はまさに適材であるはずです。
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