とても真摯な音楽DVDです。安易なTVフィルムの転用は皆無でひたすらコンサートの様子を記録していて好感がもてます。「あの楽器がこんな動きをして私たちが子供の頃から慣れ親しんだ曲を表現しているのか!」という感動にあふれています。本来クラッシックコンサートでは邪道とされる楽章間の拍手もしっかり収録されています。これはプロの演奏家にとって不愉快だったのでは?と思っていましたがビデオに映っている演者の表情からはそれはうかがえずほっとしました。この拍手はCDでは収録時間の関係からかカットされていただけにDVDの処理には当日コンサート会場にいたものにはうれしいしものです。
この日は指揮者である冬木透さんの74回目の誕生日、その「ハッピーバースデー」シーンも収録。またこの日はお元気であれば間違いなくこのコンサートに携わっていたあの実相寺昭雄さんがこよなく愛した夜行列車のひとつ「富士・はやぶさ」の最終運行の日でもありました。このビデオも素晴らしいのですが実相寺さんの演出するそれを見てみたかった。この日のコンサートはそんなM78星雲の住人になられた方たちの元にもきっと届いたのではないでしょうか?「ウルトラセブンのうた」を合唱する子供たちの振り付けもなんかよかったです。歌詞が一部違っているのは気がかりですが。
マイナス面としては解説書が単にコンサートパンフレットのCDジャケットサイズのものしかないこと。素晴らしい演奏をしてくれた東京交響楽団のメンバーの一覧もない気の利かないパンフレットです。しかしそのマイナス面を補って余りあるDVD。まさに「伝説」となりえるコンサートです!