50代にして霊体質になった佐藤さんが経験した摩訶不思議な出来事の数々を紹介しつつ、ではどう生きたらいいのか、どう死んだらいいのかを読み解く本。
霊体験と言っても、なせかこの本は怖くない。佐藤さんの霊に対する向き合い方のゆえんだろう。怖がるよりも「なんで?なんで?」という好奇心が先に立ってしまうのだ。従っておおげさに騒ぎたてたりしないし、大事件という取り扱いでもない。狐霊のいたずらの数々には不謹慎だが笑ってしまうし、壁から聞えるすすり泣きを幽霊と勘違いして、一晩中塩を投げつけては怒号でお題目を唱えていたら、実は隣の部屋にはカップルが泊まっていた・・というエピソードは爆笑ものだ。
「あの世があるかどうか、先に死んだほうは必ず教えにくる」と約束を交わした遠藤周作さんが、江原啓之さんを通じて「あの世はあったぞ」と佐藤さんに伝えにくるくだりはほほえましい。そして鬼籍に入られた作家の方々との邂逅は、まさにあの世からのプレゼントだろう。
人間は死んでも終わりじゃない。どう生きて、どう死ぬか。単に怖い体験談だけを集めた本とは一線を画して、その体験からなにを得て、人生やものの見方がどう変わったかがわかりやすく書かれている。お勧めです。