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最も参考になったカスタマーレビュー
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
巨星の一周忌に相応しい好企画。,
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レビュー対象商品: 冥誕―加藤周一追悼 (単行本)
小規模ながら、生前に加藤周一の著作を少なからず出した版元ならではの仕事。
「世界」「ちくま」「朝日新聞」など著名紙誌に掲載された、各著名人の追悼文(その中 には、いわゆる“弔辞”に類するものの再録もある)を、約30編集めています。 筆者は、表書きにある大江健三郎、鶴見俊輔のような超大物をはじめ、以下の人々。 水村美苗、吉田秀和、垣花秀武、日高六郎、玄順恵、鷲巣力、山本美穂子、 香川良成、渡辺守章、伊東光晴、板垣雄三、王敏、樋口陽一、池澤夏樹、 福岡伸一、高畑勲、一海知義、寺島実郎、小森陽一、成田龍一、 龍澤武、 山本晴彦、ジュリー・ブロック、彭佳紅、海老坂武、最上敏樹(以上、掲載順)。 改めて、加藤周一の存在に畏敬を覚え、その死を強く哀悼せざるを得ない顔ぶれ。 失礼ながら、加藤くらいの年齢で逝去すれば、ふつう「追悼」は、過去の業績への讃仰か、 逆に、その偉大さとのコントラストで故人を偲ぶごく人間的な逸話の紹介、となるだろう。 だが、本書はちがう。各自の、加藤との交誼の親疎・濃淡はあれ、死のほとんど直前まで、 思索上の指針、人格上の影響、活動上での助言を、的確に受けた、ということの証明が、 ここに集められている、といっていい。 読者によっては、平和運動についての評価はやや否定的な向きもあるだろう。 玄順恵(小田実夫人)、王敏の両氏に、偏見を抱く方もいるだろう。 だが、加藤氏への厳しい評価をもつ方であればなおさら、本書を読む価値はある。 なぜなら、たとえ過去の著作(『日本文学史序説』など典型)への共感ひとつとってみても、 一時代の著作への歴史的評価、という以上の共鳴がここには溢れているから。 その結果、本書は、加藤が著述(と発言)に籠めた方法が今なお新鮮で、有効で、画期的で、 それゆえ、その89歳の死があまりにも早く惜しまれるという「嘆き」の変奏にもなっている。 おざなりの「哀しみ」や「懐かしさ」は、一篇もない。 なお、本書の表紙は、左上の画像では見にくいが、実物は “冥誕”の二文字が浮き彫りになっていて、美しい。
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