文字通り煮ても焼いても死なない不死身少女、ニナの受難物語です。
フツーになりたい、フツーの幸せが欲しいのに、叔父のしよーもない野望につきあわされたニナ。そこで出会うのは絵に描いたような完璧王子様・シモンと、お約束のライバル美少女。……華やかな恋のさや当てに立ち込めた暗雲は、ニナの運命そのものでした。
本当はすでに死んでいるはずの身だったのです。彼女がどうして死なないのか、どうしたら死ぬのか。担当になった冥界伯爵・ロカの涙ぐましい悪戦苦闘が始まります。そこで出た強引な結論。「恋をしたら死ぬ」。
彼女をどうにかしてシモンとの恋に落ちさせようと画策するロカと、死にたくないニナの身も蓋もないかけひきの中で、二人は次第に惹かれあっていくのでした。
ドタバタコメディの中のみずみずしい恋描写は、作者魚住氏の独壇場の感があります。とくにロカは少女小説によくある余裕綽々とヒロインが落ちるのを待っている俺様ではなく、初恋にうろたえる少年のような行動をとり、読んでるこっちがくすぐったいほど。
ロカも過去に何やら事情を抱えていそう。続きをぜひ読みたい珠玉作です。