冥界から帰って来た謎のテラナーの待ちに待った派手で陽気なカムバックの模様を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第224巻。本巻の執筆者は、中堅の貫禄十分なフォルツと躍進著しい新鋭クナイフェルです。一切の記憶を失った謎のテラナーが、衛星タイタンの秘密ステーションに囚われの身となっていた。
『冥界からの漂着者』ウィリアム・フォルツ著:そこにはメルコシュと名乗るオプロン人のミュータントがいて、隙あらばテラナーを殺してやろうと狙っていた。緊張感を持って対峙する二人は、やがて自由を求めてステーションから脱出する。だが、地表へ出たふたりの前に謎の巨大宇宙船が姿を現わす。『老提督』ハンス・クナイフェル著:ローダンが立てた死の衛星破壊計画は14ヶ月だけ過去に遡り、カピン遠征隊が現われる前の時点でオヴァロンを太陽衛星に潜入させ衛星の自衛機構が怪しまぬ内に完全な時限爆弾を設置する作戦だった。しかし、それを聞いたオヴァロンは実現をあっさりと否定する。何故なら、最近潜入した太陽衛星の中には確かに20万年前のテラ製物質の崩壊した爆弾があったのだからと。オヴァロンは熟慮の末に、別の角度からの作戦を提案する。
初登場のメルコシュは透明な体の為にガラス男と呼ばれ、ロボットをも一瞬で破壊する「悪しき声」が最大の武器で、会話に「ルルル」を挿みます。そして千年前に戦死したはずが捕虜となり、タイムマシンで過去界に送られた為に偶然救われるという見事な復活の主役は、ローダンの息子で元自由商人の王様ロワ・ダントンです!(カバー絵を見れば誰でもわかりますね。)故松谷健二氏のあとがきは、夢の話です。若い山仲間と3人でO町の駅前にいて、少年時代の友人Sの蕎麦屋を探すと、突然都会の駅に変わり若いSと挨拶を交した後で目覚めました。Sが死んでからもう数年になる事を思い出すのにしばらくかかったと結ばれています。