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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
スポーツノンフィクションとして。旅行記として。,
By ひまなやま (千葉県千葉市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 冠 廃墟の光 (朝日文庫) (文庫)
すでに13年前の開催となった、96年アトランタ・オリンピックを記したノンフィクションです。開会式から閉会式までの17日間を、一人の観戦者としての作者の視点から記しています。 開会式、閉会式における過剰なまでの演出、USAバスケットドリームチーム、カールルイスなどから垣間見える商業主義の波、 爆破テロを沈静化させるためのスケープゴートなど、 本来の五輪から遠く離れてしまった現在社会オリンピックの空虚さが端々で見られます。 またそのような状況下で精一杯のプレーをする競技者の肉声との対比が更なる矛盾を感じさせます。 それに増してこの物語を魅力的にしているのは、旅行者としての沢木耕太郎の感性、文章だと思います。 旅先における細かな出来事からその土地の空気感まで、読者に旅を追体験させる文章が異国への思いを強く持たせます。 あとがきを読むと作者は本書のようにオリンピック全体を書くことはもうないと書いていますが、 アトランタから16年を経たロンドン・オリンピックを今の視線で書いてほしいと思います。
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