重厚な写真史、写真論ではなくとても分かりやすく丁寧にまとめられた写真概論。
この本で章立てされている
●「子どもの写真」を「視点」として描かれた写真史
●ポルノグラフィ及びジェンダーを「視点」とした写真史は秀逸。
巨匠が登場するよくある退屈な写真通史ではなくオルタナティブな「視点」から新たな写真-視野を描き出す。
本書の第四章にスタイケン企画の戦時プロパガンダ展「勝利への道」が記述されている。著者は当該写真展の会場入り口の大きな写真パネルを「ロッキー山脈を写した大きな写真パネル」と写真も掲載しているがこれは間違い。その写真はザイオン国立公園のザイオンキャニオンを写したもの。逆光の写真の中央に黒々と鎮座したビュートはエンジェルスランディング(天使が舞い降りる所)。ザイオンはZionでシオニズム(Zionism)と同源。そこにスタイケンの意図があったと思うのだが。