マール社の「100年前シリーズ」の一冊。
厳密に100年前というわけではない。明治初期〜中期の写真を集めたもので、当時の日本の風俗が伝わってきて面白い。
1900年前後にヨーロッパで出版された、日本に関する本から写真を取ってきたもの。イギリスやフランスで出た数冊が使われているようだ。撮影者、撮影箇所、撮影年月日は分からない。もちろん、被写体についてもデータはない。
しかし、見ていて楽しい本だ。
いっぱいのひょうたんを籠に入れた酒器売り、刺青が粋な飛脚、糸車で糸を紡ぐ老人、蚕に桑の葉を与える娘たち。実に様々な場面が切り取られている。いささかポーズを付けているようであったり、表情がぎこちないのはご愛敬だろう。
資料的価値もさることながら、「失われた日本」への郷愁を掻き立てる本でもある。じっくり眺めてみると、いろいろと発見もあり、楽しいと思う。