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写楽―江戸人としての実像 (中公新書)
 
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写楽―江戸人としての実像 (中公新書) [新書]

中野 三敏
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

寛政六年(一七九四)から翌年にかけて、浮世絵界に忽然と現われて消えた画号「東洲斎写楽」。その素性についての「誰それ説」は枚挙に暇がないが、実はこの現象が加熱したのは、戦後のことに過ぎない。本書はまず、江戸文化のなかで浮世絵が占める位置を再考した上で、残された数少ない手がかりを丁寧に考証し、写楽が阿波藩士斎藤十郎兵衛であることを解き明かす。それを通じて、歴史・文献研究の最善の方法論をも示す。

内容(「BOOK」データベースより)

寛政六年(一七九四)から翌年にかけて、浮世絵界に忽然と現われて消えた画号「東洲斎写楽」。その素性についての「誰それ説」は枚挙に暇がないが、実はこの現象が過熱したのは、戦後のことに過ぎない。本書はまず、江戸文化のなかで浮世絵が占める位置を再考した上で、残された数少ない手がかりを丁寧に考証し、写楽が阿波藩士斎藤十郎兵衛であることを解き明かす。それを通じて、歴史・文献研究の最善の方法論をも示す。

登録情報

  • 新書: 202ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2007/02)
  • ISBN-10: 4121018869
  • ISBN-13: 978-4121018861
  • 発売日: 2007/02
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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24 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 お騒がせの「写楽は誰?」にピリオド。, 2007/2/28
By 
ビブリオン (東京都練馬区) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 写楽―江戸人としての実像 (中公新書) (新書)
寛政5,6年(1793,94)に作画したことのみが知られている「写楽」捜索物語です。過去の人物を探求するには、同時代人の証言を確認し追跡調査することが一番とのこと。

写楽の場合にはそのような証言として、斎藤月岑の「増補・浮世絵類考」天保14年(1843年)があるそうです。この書の中で、写楽は、『俗称斎藤十郎兵衛、江戸八丁堀に住む。阿波侯の能役者』と書かれています。著者は、先ずこの書の著者月岑とその書を考証し、この資料を写楽研究が拠るべき第一の位置に据えます。そこから、その記載内容に関わる資料が探され、再び考証されて、月岑の記載内容に信憑性を与えていきます。『地蔵橋 号写楽齊』の記述がある「諸家人名 江戸方角分」、歌舞伎役者 瀬川富三郎作 文化14年(1817)―文化15年。『斎藤与右衛門』が載っている「八丁堀明細図」嘉永7年(1854)。更に「重修猿楽伝記」「猿楽分限帳」、「法光寺過去帳」など関連資料が次々見いだされて、月岑の記載内容を裏打ちしていきます。

これらの記載内容の追跡と同時に、著者の論理の一番の鍵は、江戸時代には雅俗、士庶の違いが、はっきりあったと言うことのようです。これも納得できます。

長い時間を掛けた研究の苦労を感じさせずに、七面倒な考証をも面白く読ませる力。読者の呼吸にあわせるように、巧みに惹きつける講談調の文章。とても古稀を越えた学者の仕事とは思えません。内容は勿論ですが、語り口を聞くだけでも読む価値は充分あります。
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 写楽の実像に迫る決定稿, 2007/12/29
By 
sasabon - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ10レビュアー)    (殿堂入りNo1レビュアー)   
レビュー対象商品: 写楽―江戸人としての実像 (中公新書) (新書)
東洲斎写楽ほど謎に包まれた浮世絵師はいません。活動時期が非常に短かったことと、手がけた作品も多くなく、一方で大首の役者絵に代表されるように世界の絵画史的にみても類をみない個性あふれる作品が、洋の東西を問わず多くのファンを作り出しています。

1910年に発表されたクルトの著作をはじめ、実に多くの浮世絵愛好家や歴史家が写楽の実像に迫ろうとして過去において様々な推論を発表しています。いくつかの論考は関心を持って読みましたが、史料の少なさと写楽の画風の特異性によってその人物像の構築と特定の難しさを感じてきました。

本書はそんな写楽の人物像に迫る好著だと言えましょう。筆者中野三敏氏は近世文化史の研究者で近世文献に関する著作も多い歴史家ですので、史料に基づく実証的な記載内容が展開されています。途中の写楽に関係する『江戸方角分』の実証性を検証するための史料批判の部分は歴史にあまり関心のない方には難しいと思われますが、この研究に対する真摯な態度の表れだと読み取りました。

写楽が誰なのかは明確に最終章で論じています。商品説明にもありますが、斎藤月岑著の『増補・浮世絵類考』に記してある阿波藩士斎藤十郎兵衛が写楽である、としています。そこに至るまでの証明の積み上げが素晴らしく、納得できる結論だと受け取りました。

歴史家として実証的な手法による推論ですので、説得力もあり具体的な論でもあり、読者にとって理解しやすい内容でしょう。ただ、写楽の魅力ある作品そのものに触れた著作ではないので、作品論としての写楽論を期待した向きには少し当てが外れたかもしれません。それはそれとして納得していますが。
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1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 決まりかな?, 2011/2/27
By 
cecedece - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 写楽―江戸人としての実像 (中公新書) (新書)
もともと斎藤月岑という人が彼の「増補・浮世絵類考」という著作において、写楽は、「俗称斎藤十郎兵衛、江戸八丁堀に住む。阿波侯の能役者」と書いており、これが唯一の情報であった(今もそう変わらないけれど)。僕はこの斎藤月岑という人物をよく知らないのでこの写楽に関する情報がどれほど信頼できるのか疑問に思っていた。今回、この本を読んで斎藤月岑という人物が江戸後期の文化を知るには欠かせない書物を書いている人でその正確性も信頼できるということをはじめて知った。多分ですね「写楽は○○だ!」というキャッチフレーズをぶち上げた今までの多くの面々もこの斎藤月岑についてそう知識もないのではと思う。さらに瀬川富三郎の「諸家人名 江戸方角分」これも信頼にたるらしい。さらに「法光寺過去帳」でTHE ENDかな?書かれた書物の信頼性というような話になるとやはりこの著者のような専門家の出番だと思う。では斎藤十郎兵衛なる御仁が「写楽」であったとしたら、なぜ彼はあっという間に消えたのか?なぜ斎藤十郎兵衛の周りには浮世絵の匂いがしないのか?そのあたりも江戸時代、武士社会云々の知識がないとなかなか理解できない。ということで長い間楽しませてくれた「写楽は誰だ」論争も「これにて一件落着」かなと思うけどちょっとロマンがないですね。
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