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再生 [単行本]

石原 愼太郎
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

目が見えず、耳も聴こえない。おしよせる孤独と絶望、あるいは自殺―。実話に基づいた、感動の再生のものがたり。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

石原/愼太郎
1932年、神戸市生れ。一橋大学在学中の1955年に「太陽の季節」で衝撃的なデビュー。翌年、芥川賞を受賞。その後「化石の森」「生還」など数多くの作品を執筆する一方、1968年に参議院議員に当選。後、衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。1995年、勤続二十五年を機に国会議員を辞職。1999年、東京都知事に当選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 153ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/09)
  • ISBN-10: 4163295305
  • ISBN-13: 978-4163295305
  • 発売日: 2010/09
  • 商品パッケージの寸法: 19.2 x 13.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 180,317位 (本のベストセラーを見る)
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11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Ultraume Amazon Customer トップ1000レビュアー
Amazon.co.jpで購入済み
 これから書くこの本の紹介は、800字以内ではとても書き尽くせません。少し長くなりますが、我慢して読んで下さい。そして一人でも多くの方がこの本を読んでくれたらよいと思っています。

 失礼な言い方ながら、作者名を伏せてこの本を読んだならば、これが石原慎太郎氏の著作だとは思えないのではないだろうか。自分の意見を主張するあまりに強い口調で人を批難したり、時には独断専行との批判を免れない石原さんがこのような本を書くなんて、、、、、、。しかし、そのような行為が感受性や正義感の強い故に発せられているのであれば(私はそう思っているが)、そういう人は、障害者の内なる感情を汲み取る気持ちも人一倍強いのではないか、と思うのである。更に、石原さんは身障者の福祉にも眼を配らなければならない、行政の長でもある。

 さて、この本は原因不明の疾病で四歳の頃から右目が見えなくなり、中学生になる前に全盲となり、更に右耳が聞こえなくなって、高校生になる頃には完全な聾となった人の話である。ここまで追い詰められると自殺を考えてもおかしくないような運命であるが、彼はその時の心境を次のように語っている、「〜その気になればいつでも簡単に死ぬことは出来る、でもその前に、この自分が最後の聴力を失ってしまったとしてもその先に何があるのだろうか、必ず何かがあるはずだという気がしていました。−中略―きっと何かあるに違いない、それはこんな自分に限って与えられたというか、用意されているものかも知れない、それも試さずに死ぬのはつまらない、勿体ないことかも知れないと思いました。」、これは彼が高校生の頃の、全聾になる前の述懐である。障害が有る無しに関わらず、人生を前向きに生きようとしている人の共通の思いが感じられ、静かなその言葉に圧倒されるのだった。

 こういう人が大人になってどうなるかと言うと、健常者と障害者との間の橋渡しの役をする仕事につくのである。もっと言うと、本書の中では次のような話になっている。
 彼が金沢大学の准教授で居る時に(それだけでもすごいことだと思うが)、東大の先端科学技術研究センターから採用の話があり、その時の面接の様子が述べられている。ここに入ったならどんな研究をしたいかと問われて、こう答えている、「人間同士の差別を踏まえて、能力主義的な発想を批判否定していける研究をしたいと思っています」それに対して別の人から、能力主義についてどう思うか、という質問があった、これには次のように答えている、「私は人間個々に当然能力の差があることは否定しません。その能力の発露の差によってある組織の中には処遇の差があり得るとも思います。私が否定したいのは、能力の差とその人間の存在の価値や意味を連動させて相手を捉えることです。そういうことをする人間の芯にある、差別を促す価値観は否定されるべきものと思います。私自身が負うている障害を通して、それを批判しきる研究をしたいと思っています」、以て銘すべし、けだし名言である。こういう意識を忘れて生活している私自身に対する自戒の言葉でもある。

 緒言も「あとがき」も何にもない石原流の書き方なので詳細は分からないが、恐らく作者が本人に聞き書きをして書いたのだろう、と思われる。内容の特殊性に鑑みて、作品にしづらい話であったと思われるが、繊細なところが真にうまく書けている作品である。昨今の芥川賞作家を批判するだけの力量は持っている。読みながら何回も思ったことは、障害に屈しないで生きて、極めて個人的なことまでを公開することを許可した本人への賛辞と、それを取り上げた石原慎太郎さんがどのような思いで書いたのだろうか、ということである。

 どうか、大勢の人がこの本を読んで、自分の生き様や人に対する思いやり等をもう一度考え直して欲しいと思う。私もそうするつもりだ。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
幼い健常者が視覚を失い、聴覚をも失って、その暗黒の絶望の壺の中から
再生してゆく物語り。否、実話に基づく物語り。
多くの障がい者の希望となったであろう実在の主人公は、健常者の抱く
憐憫さえ同じく希望に変えた。
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30 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 号泣 2010/11/8
50に近くなりますが、本というもので初めて号泣。不覚にも娘二人の前でほとばしる涙を止められなかった。
ヨブ記にも共通する人間の不条理と、その不条理ゆえのもろくて深い人間の存在の意味。
また、以前から疑問だった芥川、太宰、川端の自殺についての言及とそれを超える一つの解が提示されています。
洗練された文章と相まって、人間の存在意義について現実的な側面から考えさせられ、今も余韻が深く脈を打っています。
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