本書を読んで,ちょっとショックを受けた。昭和30年代,最もモダンな生活スタイルであった団地。新しい電化製品が次々と開発され,洋風の暮らしにあこがれていた頃....。つまりよく知っていたはずの私の子供時代なのだが,記憶の中でぼんやりとしかかってきたその生活を,こんなに鮮明な,昨日ポストに投げ込まれたマンションの売り出し広告であるかのような,鮮明なカラー写真で見せられると,やはり吃驚させられる(松戸市立博物館で保存されているそう)。なんといってもここに写っている家族の幸せそうな顔がよい。いまの物にあふれた住まいに暮らす人々の顔を顧みるに,将来に対する希望が持てた時代があったんだなぁ,と詠嘆せざるを得ない。