うつ病を患った作家、山本文緒の日記エッセイ。もともとは角川書店の文芸誌『野性時代』に連載されたものを単行本として発表。今回はそれの文庫化である。文庫化にあたり、「まえがき」と「あとがき」と、かなり紙面を割いた加筆がされている。12のチャプターから成り立っている。6番目と7番目の間に、約2年2ヶ月のブランクがあり、この間に何かあったのか、劇的に近く病気が回復している。禁酒・禁煙にも成功しているようだ。このあたりが文庫では詳細に明らかにされている。また10番目と11番目の間にも、約1ヶ月のブランクがあるが、それにも触れられている。
私はこの日記を読んで、山本文緒の飾らない、赤裸々な告白に素直に感心した。買い物・食べ物のこととかは実に女らしさがうかがえる。また、病気の症状では、とりわけ睡眠障害に苦しんでおり、これについては本当に正直に述べている。さぞ辛かったことだろう。
罹った病気に対処するためにはこのように長期戦となるんだろうけれども、経済的に庶民より恵まれているだけに、また素敵な旦那さんがいらっしゃるだけに、「わたしは治った」といえたのだろう。