アダム・サンドラーがマジにシリアスな役を演じるのを観るのは新鮮でした。メチャメチャ良かったです。風貌もちょっとボブ・ディラン風で。(笑)
彼が演じるチャーリーは、現実を完全に遮断している(しようとしている)。
周りの人々は、いつまでも前に進もうとしないチャーリーを見捨てて(?)しまおうとする。それで、彼はますます内向的になり、現実をまったく見ようとしなくなるという悪循環。
もともと素養はあったんでしょうが、LPレコードのコレクションもオタク的な生活もバリアーの一環なんでしょう。チャーリーの聞いている、その70年・80年代ロックがドラマのキーとなります。そのあたりも面白い。
恵まれた環境下にある様に見えるアランも、チャーリーに出会う事で、今ある生活の重みと妻子への感情を再考していきます。アランを演じるドン・チードルも自分の満たされない心の闇に向かい合う男を見事に演じています。誰かを思う事で自分も思われ、そして他の誰かへと波及していく...。
決して人を傷つける事は良しと出来ない。その一方でどうすれば人間は考え、そして本来の生き方を出来るか? という裁定の重み。またそれを取り巻く人間が誰かを助ける方法は決して一つではなく限りない可能性を残しえる事もまた、静かに語ってゆきます。
それから、思っていた以上にコミカルなシーンも結構あって、緊張をほぐしてくれますし、芸達者な豪華なキャストも見所です。精神科医役で花をそえたリヴ・タイラー。判事役のドナルド・サザーランドが渋くカッコイイです。