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内部告発の力―公益通報者保護法は何を守るのか
 
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内部告発の力―公益通報者保護法は何を守るのか [単行本]

奥山 俊宏
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

日米英の多くの事例・制度を報告。公益通報者保護法案がようやく国会に提出された日本。内部告発者保護の思想と文化はどのように根付いていくのか。

内容(「MARC」データベースより)

内部告発が不祥事の拡大を防ぎ、組織と社会が変わる時代が到来した。かつて内部告発により、ひとは何につまづき、何を得たのか。三菱自工、東京電力、エンロン、ワールドコムなど日米英の事例・制度からその答えをひもとく。

登録情報

  • 単行本: 270ページ
  • 出版社: 現代人文社 (2004/04)
  • ISBN-10: 4877982019
  • ISBN-13: 978-4877982010
  • 発売日: 2004/04
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 「内部告発」という言葉を聞くと、「裏切り者」という何となくダーティーなイメージを感じる。
 しかし、本書で紹介される映画『インサイダー』になった米タパコ事件・エンロン事件・ワールドコム事件などのアメリカの例や、東京電力原子力発電ひび割れ隠し事件などの日本の事例を読むと、内部告発のおかげで社会正義が守られたこと、告発者がいなかったとしたらもっと腐敗が続いていただろう、ということが理解できる。
 とはいえ、不正を目にしたとしても自分の立場を考えると告発に踏み切るには勇気が必要だ。ウォーターゲート事件の取材過程を描いた「大統領の陰謀」によると、“ディープスロート”という告発者は、新聞記者にも自らの正体を明かさなかった。それは、権力の頂点に君臨する相手がどんな報復をするか分からないからだ。

 これからの社会は、内部告発者を守ることによって告発しやすい環境を作り、組織の健全性を保っていくべきだ。という考え方が本書の底流に流れている。
 善意の内部告発者だけを守るのか、利害関係がある告発者をも守るべきなのか。国によって意見は分かれている。
 アメリカでは、個人的利益があっても告発をしてもらうべき、という考え方まで進んでいるらしい。具体的に言うと、政府になりかわって損害賠償などの支払いを求める「キイタム訴訟」というものがあり、勝訴した原告には、勝ち取った賠償金のうち15%~30%の報奨金が支払われる。とのこと。日本の住民訴訟や株主代表訴訟の原告は勝訴しても一銭も得ることのない、いわば公のためにだけ尽くす人であるのと対照的である。

 最近コンプライアンス(法令遵守)という言葉を目にすることが多くなった。日本でも「公益通報者保護法」が2004年6月18日に公布され、その中に2年以内に施行されることが明記された。本気でコンプライアンス体制を確立したい企業や法人にとって、本書は必読の書になるだろう。

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By ま2007 トップ1000レビュアー
形式:単行本
取材・調査に基づいて可能な限り実名を表に出して事実を述べる。そういう態度で書かれた本。著者が非常によく勉強している。そういう本だから読んで勉強になる。

前半はかなり突っ込んだ日米の内部告発の事例集。事実と意見の区別に読解力が要求されるとか長文が下手だとか新聞記者にありがちな読みにくさはあるものの、それでも詳しく取材された非常に質の高いものだといえる。特筆すべきは告発者が行った情報収集や告発の手順および告発される側(された側)が行った報復の手順が具体的に述べられていること。非常に刺激的である。多くの報道や書籍では「自浄能力が無かった」で済まされる内容が「自浄能力を排除しようと努力してきた」という点まで突っ込んで書かれているのが非常に素晴らしい。組織の体制整備のマニュアルとしても、それを直接の題材とした大抵の本よりは役に立つだろう(読む人にやましい点がなければ)。

後半は関連する法律、法律の運用、法律や世論が内部告発という行為に与える影響の説明。こちらも非常に詳しい内容。こういう点においてはアメリカが極めて先進的な国であり日本が先進国らしからぬ状況であることを改めて実感できるし、日本の公益通報者保護法がいかにダメかという点に関しても、施行後の今になってこの後半を読むと改めて実感できる。
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