近年「体幹トレーニング」なる物が世にかまびすしい。
「体幹トレーニング」とは、腸腰筋を中心に、あまり使われていない体幹部の筋肉を鍛えて使って運動しようという考え方である。
これは生物の二大運動たる「運動」と「代謝」の、「運動」の側、運動器官の側から体幹部にアプローチする方法である。
だが二大運動と言った通り、人間には「代謝」というもう片側の一大分野が存在する。「代謝」とは「呼吸」と「食」であり、それを担うのが代謝器官、いわゆる内臓である。
世の人間の多くは「運動してれば健康である」というあまりにも抽象化しすぎた一般論しか知らず、それを元にゴルフやテニスやランニングをして、それで健康に近づけると考えている。
だが、その殆どが「手足を動かす」だけに終わり、それではダメなのではないか?という事実と疑問が重なっていった結果、現在の「体幹トレーニング」の発生という状況になったのである。
だが、実の所、体幹トレーニングだけでは、「代謝」を担う内臓には、一般的な好影響というレベルでしか効果が出ない。つまり、胃、腸、肺、心臓といった個々の内臓器官に好影響を与える事は出来ないのだ。
そして体幹トレーニングを必要とするのは「趣味的に運動をする人間」が多く、「運動をする習慣が無い人間」がその必要性を感じる事は少ないのではないだろうか。
「運動をする習慣が無い人間」にとって重要なのは「内臓脂肪がたまってる」「なんとなく身体が重い」「冷え性でツライ」「飲みすぎで肝臓が悪い」「ストレスで胃炎が気になる」という内臓の故障ではないだろうか。決して「肘が痛い」「膝が痛い」「足首をくじいた」という類の故障ではないと思う(この際目、肩、腰、腕を痛めるIT関連の身体の故障は別にする)。
そういった内臓系統の問題に有効なのが「呼吸法」である。
著者の高岡英夫(以下敬称略)は体幹部の生物学的構造、呼吸の生物学的メカニズムを元に、独自の「ゆる」論を包含した「ゆる呼吸法」を編成した。
この本ではその中でも、内臓の生理学的機能を向上させる方法を特に集めた物である。
方法はいずれも簡単でとっつきやすく、器具が無くてもちょっとした時間があれば身一つで簡単に出来る珠玉の方法ぞろいである。
試しに4章からの方法を少しやってみるといい。その簡単で、しかも気持ちよさを感じる方法が楽しくなってくるだろう。
興味があれば「ゆる呼吸法」革命、本番に強くなる!奇跡の「ゆる呼吸」といった姉妹書に当たる事もオススメである。