哺乳動物に就いて書かれている本ですが、見る立場が獣医さんではなく人間を診るお医者さんなので、紹介されている哺乳動物たちの生理や特徴などがヒトと比較説明されているため、同じ哺乳類なのにずいぶんと異なるのだと感心しました。
50種類もの哺乳動物が特徴的にまとめられ最終章はヒト科で終わっています。「この動物があの動物と近い種なんだ」、「こんな能力があるんだ」、「こんな生態で、こんな生体機能なんだ」と興味ある事ばかりで驚かせられました。
中にある7つのコラムは理解をより深くする詳しい説明などが載っています。イラストも著者の奥方が描かれたそうで、写真とは違い特徴を捉えた分かり易いものでした。
恐竜が絶滅した時と比べて、現代はその4000倍もの速さで種の絶滅が進んでいるとの事です。それもこの間、新しい種が出てこない…。生まれてきた赤ん坊を手厚く育てる殆どの哺乳動物ですが、日本の乳児死亡率では先天奇形や染色体異常がトップ(一つの要因は出産年齢の高齢化も)で、卵子は薬物や汚染物質に曝され損傷しているのは明らか、と有りました。全ての哺乳類は、全ての卵子を持って生まれてくるので、環境の悪化は深刻な問題だと思います。
面白さだけではなく、動物の置かれた状況も分かる読み応えのある本で、動物好きには嬉しいかぎりでした。何より、動物好きなお子さんをお持ちの方にお勧めの一冊です。