わりと人間の内面とか認識論が多くて難解ではある。
だが読めるところも多く、バタイユの基本は変わらないのだろう。
「人間がついに把握しえなかったのは、かつて誰ひとりとして私たちに語りかけはしなかった以上、これからも誰ひとりとして私たちに語りかけはしないだろうということなのだ。」
「もはや全一者たることを望まぬこととは、人間にとってもっとも高度な野望であり、それは人間たろうと望むことにほかならない。」
「もし神が自身をあるがままに見るとすれば、神はたちまちにして神たることをやめるであろう。」
「なぜ私の知っていることが存在しなければならないのだ?」
285pと346pからは、鋭敏で誠実な著者の声が聞こえてくる。何か暗いものの向こう側に光るものを求めている。