内容紹介
生誕150周年記念出版!
近代日本の根源的批判者。
西洋による植民地化を逃れるべく西洋化した近代日本。日本の近代の軽薄さを根源から批判し、逆説的に近代日本人の精神的支柱となった巨人の全貌。
『ロマ書の研究』(抜粋)「何故に大文学は出ざるか」等、内村鑑三のテクストも収録!
出版社からのコメント
鈴木範久氏は、『近代日本のバイブル――内村鑑三の「後世への最大遺物」はどのように読まれてきたか』の中で「私は、内村の『後世への最大遺物』を、近代日本の代表的な失敗学の書物とみています。なぜなら、内村鑑三の別の著作『代表的日本人』の題名を借りるならば、近代日本の代表的失敗者 内村鑑三により書かれたものであるからです」と書いている。この文章は、やや誤解を生じるかもしれない。内村は、たんなる「失敗者」ではなく、偉 大なる「失敗者」だからである。内村とは、逆説的な「失敗者」であり、その苛烈なる生涯とは、高きを目指したが故の、偉大なる失敗の生涯であり、 究極的には「勝利」の生涯であった。だからこそ、「内村鑑三の勝利」という寓意画が描かれうるのである。そして、偉大なる成功ではなく、逆説的に 偉大なる失敗から生まれた講演が、近代日本の精神史に大きな影響を与えた。あるいは与え得たところに、近代日本精神史の核心があり、その核心に内 村鑑三という存在の逆説性があるのである。
(編者・新保祐司)