内なる宇宙ってそういう意味だったのか!と読了してびっくり。
本書で起こるようなことは実際起こるのか!?と軽く頭も抱えたけれど、そんな野暮なことを言っていたら世界のSFは絶滅してしまう。科学って深い。うちの母親のふところより深そうだ。
上巻で問題になっていた人格乗っ取りや一向に進まない異文化の相互理解は、下巻でかくも鮮やかに解決された。上巻下巻に分かれている小説では、上巻で話をあちこちへ広げておいて、結局下巻でまとまりきらず中途半端なまま終了するような呆れたものがたまにあるけれど、本書は計算しくつされたプロットの裏でほくそえんでいるホーガンの姿が目に浮かぶほどすっきりまとまった終わり方だった。
ただ1つ。ガニメアンシリーズは誰かが死んだり傷ついたりしないわりと平穏なSF作品だったのだが、本書ではついに死人が出てしまった。重火器を手にした人々が暴れてしまった。ガニメアンもシャピアロン号でドンパチに参加してしまった。だからどうだと言われれば困るけれど、派手なドンパチシーンが読みたくて本書を手にしたわけではないので、物語の方向が以前とズレているのにはちょっと悲しかった。