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30 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「兵隊」というリアリティ,
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レビュー対象商品: 兵隊たちの陸軍史 (新潮文庫) (文庫)
「戦後」も63年目となり、「戦前」はひたすら遠くなるばかりである。戦前の日本人にとっては、常識であった「兵隊という存在」について、私たちはまったくイメージを持てなくなっている。かつては日本人男性が生涯に必ず一度は経験した兵営の暮らしも、歴史の霞の彼方に消えてしまっている。 本書は、「兵隊」という存在のリアリティを具体的かつ詳細に記述したものだ。 筆者にとってはただひたすら現実でしかない事どもの1つ1つが、実に異様で、実に面白い。まるで良くできたファンタジー小説のように、現代と異質であり、かつリアルなのだ。兵営での暮らしの厳しさと滑稽さは、体験したものにしか書けないリアルさに満ち、かつ今日の暮らしとの懸絶が凄まじい。「兵隊は抑圧に満ちた内務生活よりも戦場に行くことを喜んだ」という記述など、本当に経験者でなければ書けないことである。 戦争を経験し多世代が、このような貴重な記録を書き残してくれたことに感謝したい。 なお、本書は1969年に刊行された同名の書籍の再刊である。文体・表現等、40年を経てなお清新であることにも驚かされる。
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
穏健で公平,
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レビュー対象商品: 兵隊たちの陸軍史 (新潮文庫) (文庫)
冒頭で「穏健で公平」な立場を心がけたとあるように戦争に対してイデオロギーを極力排して実際の軍隊がどのような生活を送っていたかということが書かれてあります。兵隊たちは天皇のために戦ったのではなく「お国のため」の戦ったということ 内務の私的制裁よりむしろ戦場の方が開放感があった など、何となく心情がわかるような気がしました。 中国に軍隊が駐留していたこと自体、現在の感覚からすれば奇異な感じですが歴史の連続性の中でこのような時代があったことを忘れてはならないと思いました。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「兵隊」たちの陸軍史,
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レビュー対象商品: 兵隊たちの陸軍史 (新潮文庫) (文庫)
本書は、昭和44年に番町書房から刊行された著作を文庫化したもの。書名どおり、陸軍の「兵隊」たち(主に中国戦線)がどのように、訓練され兵隊となり、どのように戦い、どんな気持ちで生きていたかを記述した本である。 本書は、 ・「戦略的観点から日中戦争や太平洋戦争を記述したもの」ではなく、 ・「対米英戦(真珠湾やガダルカナルやミッドウエーやレイテや硫黄島や沖縄戦や戦艦大和)の戦記」ではなく、 ・「終戦前後の日ソ関係、ソ連による満州侵攻やシベリア抑留」ではなく、 主に日中戦争の実態が書かれている。 上記のような大局的な戦争観や主にアメリカとの戦闘については多くの著作があふれており、私もそれなりに知識がある。 一方、本書のように中国に駐留していた日本軍がどのような立場にあり、どのように戦い、暮らしていたかはあまり読んだことがなかったので、たいへん興味深く読んだ。日中戦争が太平洋戦争前から長年続き、日本の進路にも重大な影響を与えたにもかかわらず、あまり記述されないのは考えてみると奇妙なことであり、その意味で本書は貴重な著書といえる。 反面、ていねい・平易に当時の陸軍兵士の事情を説明しているものの、少し今の時点で読むと分かりにくい部分もあり、私の場合「スラスラ読む」というわけにはいかなかった。(たぶん昭和44年の時点では説明の必要もないことが、私のような戦後世代にはわかりにくい部分があるのでしょう) 自らは安全な場所にいて(無謀な)作戦を立案していた軍中枢部についてではなく、戦争中、実際に銃をうち、負傷したり死んでいったりした兵隊たちの実情や空気がよくわかる本であり、とても貴重な本だと思います。
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