国民ID、共通番号の議論はあまり進んでいない感じがするが、年金記録問題などを考えると、導入については賛成したい。しかし、その利用のあり方などの著者の提案には、ちょっと不安を覚える。
国民にユニークなIDを振るということ自体は、情報システムで住民を管理するという観点からすると、議論の余地がないと思う。
年金記録問題で完全な名寄せが不可能であることは、ちょっと考えれば誰にでも分かりそうなものだ。折角、作った住基ネット、住民票コードが有効活用されていないことには憤りさえ覚える。
ということで、共通番号の導入については著者の結論に賛成。5、6年以上前にうちの自治体に講演に来た時も思ったが、非常に論理的な説明が得意な人で、今回も共通番号や納税者番号の導入の必要性を説いている。
ただ、第3部の「共通番号で変わる社会とビジネス」の第11章「新たな情報流通による市場創出」については、ちょっと賛成できないというか、前半部分の展開と合ってないような気がする。
過度な個人情報保護によって情報の流通が妨げられてることは、自治体の情報公開・個人情報保護の担当だった自分にも分かるし、情報コモンズという考えも面白いと思う。でも自治体が民間企業のためにダイレクトメールを送付するというのは行き過ぎだと思う。これが情報コモンズか?