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共視論 (講談社選書メチエ)
 
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共視論 (講談社選書メチエ) [単行本(ソフトカバー)]

北山 修
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

商品紹介

浮世絵に描かれた母子像は何を語るか
蛍、花火、しゃぼん玉。輝いて、そして消えていく対象を眺める母子。象徴を共有し、言語を使用するための基盤となるこの構図を日本人はなぜ好むのか?「共視」する母子を取り囲む「場」の文化とは?精神分析学をはじめ、さまざまな分野の新しい知見をもとに考察する、視線をめぐる人間論。

内容(「BOOK」データベースより)

蛍、花火、しゃぼん玉。輝いて、そして消えていく対象を眺める母子。象徴を共有し、言語を使用するための基盤となるこの構図を日本人はなぜ好むのか?「共視」する母子を取り囲む「場」の文化とは?精神分析学をはじめ、さまざまな分野の新しい知見をもとに考察する、視線をめぐる人間論。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 244ページ
  • 出版社: 講談社 (2005/10/7)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062583445
  • ISBN-13: 978-4062583442
  • 発売日: 2005/10/7
  • 商品の寸法: 18.8 x 12.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:単行本(ソフトカバー)
「共に視る」。北山修は、論文はともかく、一般書籍に自分の患者のケースをあげることを嫌い、古事記、浮世絵などから日本人の心を探る、という斬新な研究方法を試みた。この本では編者であるが、だからこそ、たくさんの「共に視る」論が読めることは大変ありがたいことである。

母と子は初め、母乳やミルクをもらうときみつめあっている。やがて、二人で「共に」きれいなお花やワンちゃんや猫ちゃんを「視て」「かわいいねー」などと情緒的につながりつつ、共視する。普通に育てられた幼児は、母と永遠に一緒にいるものだと思っている。何があってもべったりくっついて生きてゆくのだと、生きてゆくという意味も知らず、感じている。

しかし、別れの日は来る。自立である。母の手を、母の心を借りなくても世界を一人で視ることが出来るようになる。そして本当の自立で、母を愛しつつ別れてゆく。別居に限らない。同居していても「別々の人間」として歩み出す。

北山修は後年、1971年に書いた「あの素晴しい愛をもう一度」の詞に、書いた当時は気づかなかった共視論を見いだす。この唄の中で「ふたり」は決して見つめ合わない。同じものを共に視ている。そしていつまでもと誓い合ったのに、心と心が通わなくなる。それは嫌いになったのではなく、別々の人間になったのである。

まさに母子である。

「いなくなるから取り入れられる」。母は子とべったりの季節を過ぎて、初めて子供の心の中に定住する。頻繁に起きる悲しい母子の事件は、その母の母、さらにその母と子がどんな心一つの時期を過ごしたのか、過ごせなかったのか、きちんと調べなければ同じことが繰り返されるであろう。

テーブルを挟んで話すと緊張するが、カウンターに並んで話すとほぐれて話しやすい、という経験はないだろうか。これも「共視」である。大切な話をしたいときは、テーブルではなく、カウンターで話してみてはどうだろう。二人共に同じ方向を視ながら。

この本は、精神科医、日本人を看る医師・北山修入門に最も適した本のうちの一冊である。
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