ジョージ・マーシャルは、戦後復興計画の「マーシャル・プラン」として、歴史の教科書にも登場する人物ですが、その「背信外交」ぶりを告発するのが本書のねらいです。
簡単にいえば、マーシャルは、第2次大戦後の中国において、当然蒋介石を支援すべきなのに、それを怠り、結果的に、むざむざ共産軍に中国を渡してしまったのです。それ以外にも、戦時中、英国よりもソ連に有利になるような作戦を提案したり、バルカン半島から撤退することでソ連に明け渡すようなことをしたり、日本が敗戦確実であるにもかかわらずソ連の参戦を熱望したり、などなど、とにかく、共産主義者ないしはそのシンパとしか思えないような行為が多いのです。
本書の中身は、記録に残る発言や行動に基づいたものなので、説得力あるものだと感じました。
ただ、副島隆彦さんの解説は、マッカーシーが述べていない、「ロックフェラー財閥の陰謀」にまで発展していて、はっきりいって過剰です。本書をだしにして、自分の憶測を語っている、としか思えません。当時における確たる証拠にもとづいて書かれた良書なので、「陰謀理論」を表に出してしまうと、トンデモ本扱いされてしまいそうで、もったいないと思います。