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共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること
 
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共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること [単行本]

フランス・ドゥ・ヴァール , 柴田 裕之
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,310 通常配送無料 詳細
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共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること + 人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線
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商品の説明

内容紹介

「共感」こそが混迷の現代社会を救う――
「利己的な遺伝子」などのメタファーがもたらした現代の競争社会。利己的動機と市場の力のみに基づく社会は、富を生み出すことはできても、人生を価値あるものとするような相互信頼は生み出せない。

世界的に著名な動物行動学者が、チンパンジーやイルカなどの豊富な実験や観察例を引きながら、「共感」が進化史上哺乳類に共通の特性であることを明らかにする。そして、壁にぶつかってしまった極端な利益優先社会を、「共感」を基盤とする新たな社会とするよう提唱する。

われわれは、人間と動物が心を通わせたり動物同士が助け合ったりする場面になぜか心惹かれるが、動物たちのあいだでは、信頼や公平さの感覚、互恵的行為が見られる。また、ミラーニューロンの発見で、他の個体の動作を模倣したりする「共感」の神経生理学的基盤が得られた。「共感」は人間が新たに獲得した特性ではなく、脳の古い層の作用なのだ。

いまや、生物や進化を考えずに政治や経済は語れない。なぜなら社会は人間から成り、人間は進化の歴史の上にあるのだから……。そして「共感」にも長い進化の歴史の裏づけがある。

「これは、人間の優しさの生物学的ルーツについての大切でタイムリーなメッセージだ」
--------デズモンド・モリス(『裸のサル』の著者)
「共感」が進化の歴史の中で、生存のためにどれほど重要な価値を持っていたかがもっとよく理解できれば、人間の特質をより寛大により正確に捉え、それに基づいたより公正な社会の建設に向けて、私たちは力を合わせられる、とドゥ・ヴァールは言う。

さまざまなエピソードや皮肉の効いたユーモア、鋭い知性に満ち、素人にもわかりやすい文体で書かれた本書は、われわれが迎えている困難な時代における必読書だ。

内容(「BOOK」データベースより)

「利己的な遺伝子」などのメタファーがもたらした行き過ぎた競争社会、人間は何を取り戻せばよいのか。生物や進化を考えずに、政治や経済は語れない。なぜなら社会は人間から成り、人間は生物として進化の歴史の上にあるのだから…そして「共感」にも長い進化の歴史という裏づけがある。

登録情報

  • 単行本: 368ページ
  • 出版社: 紀伊國屋書店 (2010/4/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4314010630
  • ISBN-13: 978-4314010634
  • 発売日: 2010/4/22
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
ド・ヴァールは、行動生態学者のうちでも、動物と人間の「倫理」を語らせると第一人者である。それは、彼がおそらくダーウィンのひそみに倣って、道徳哲学関係の文献を人一倍読みあさってきたからだろう。彼の新著は、彼の「動物・人間の倫理学」の第二の主著とも言える仕事である。第一の主著は、『利己的なサル、他人を思いやるサル』で、これは現代の倫理学の文献としても第一級のもの。そして、今回の新著では、倫理の構成要素となる行動特性や心的特性が進化の過程でどのようにして積み重ねられてきたかという推察が、第一の主著よりもさらに幅広く、深く掘り下げられている。

その一例は、第5章で出てくるゾウで、ゾウが人間の幼児やチンパンジーと同様、鏡に映る自分を認識できるという実験である。これは、他者の情動を見て自分のうちでも類似の情動が生じるという共感能力、「感情移入(アインフュールンク、あるいはエムパシー)」が、進化のかなり古いところで人間と他の動物に共有されている、という著者の主張の脈絡に置かれる。「共感」をいうからには、「自他」の区別が理解されていなくてはならず、鏡像の認知ができなければ「自分」という意識が帰属させられないからだ。要するに、ド・ヴァールは、「ゾウにも十分な共感能力があり、道徳性の点でも、ゾウと人間は連続的だ」と言っているのだ。

ド・ヴァールの用法では、「共感、エムパシー」と「同情、シムパシー」ははっきり区別され、前者がより身体的要因に近いのに対し、後者はもっと複雑でより多くの構成要素をもつ(したがって、進化の過程でもっと後に生じた)とされている。ロシアの入れ子構造の人形(マトリョーシカ)のように、共感はより内側に位置しているのである。こういった事実関係の推測は倫理を考える上で重要であり、倫理学研究者も文献解釈だけでなく、こういった認識を共有する必要があるだろう。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By しらま VINE™ メンバー
形式:単行本
共感する能力は、ヒトを含めた哺乳類に遺伝的にプログラムされたものだった。そうした動物行動学の研究成果を示す啓蒙書であると同時に、著者自身の経済思想を織り交ぜたエッセイでもあるという、科学者の書いたものとしてはやや異色な本。膨大なフィールドワークから得られた動物同士のエピソードの数々はどれも微笑ましいが、科学的知見として特に興味深いのは「同情と自己認識の同時創発仮説」だ。個体の情動がミラーニューロンによって伝染するだけなら多くの哺乳類に見られるが、その個体を手助けできるのは、自己と他者の区別ができる能力のある類人猿やクジラ目、ゾウなどに限られるそうだ。また、ゲーム理論の最後通牒ゲームを用いた実験では、チンパンジーも不平等・不公平な扱いに対して嫉妬するというから面白い。

そのように、共感と同情と嫉妬が哺乳類にとってデフォルトであることを踏まえた上で、著者はそれを考慮に入れない新自由主義経済への批判を展開している。確かに、自然主義的誤謬を犯した社会ダーウィニズムは唾棄すべきだし、「利己的な遺伝子」というレトリックが行動の動機にもそのまま適用される訳ではないとする「動機の独立性」の指摘は重要だ。生物学と心理学を混同してはいけない。

だが経済成長それ自体は人間の感情とは独立した物理的な条件と制約によるところも大きい。ことによっては、共感や嫉妬を抑制せねばならない場面だってあろう。経済学と心理学もまた、混同してはならない面があるのだ。文明社会の維持発展には原始的生活以上に自律と節制を要する。人間の性質を踏まえない経済は暴挙だが、経済の性質を踏まえない社会論議もまた不毛だ。実際、著者自身の努力と成功に対するスタンスも、居住地であるアメリカ社会と出身地であるヨーロッパ社会との間で揺れ動いている。筆致も若干感情的になっているが、良識ある経済学者と著者との対話があればぜひ読みたい。
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 海月
形式:単行本
著者は、霊長類の社会的知能研究で世界の第一人者。
私たちは「共感」は人間だけが持っていると考えてしまう。
しかし共感は人間独自のものではない。著者は、多くの実証を積み重ねて先入観を突き崩してくる。
本書では類人猿や犬、狼、ヒヒ、アカゲザル、イルカなど、動物達の共感を巡るエピソードが多数紹介されている。
あまりにも事例が多いのだが、興味をかりたてるお話が多く飽きずに読めた。

川でおぼれた老犬を、どこからともなく現れて助けるアザラシ
病気の仲間に口移しで水を飲ませようとするチンパンジー

一つ一つの事例がとても興味深い。
人間は動物と同じく、生まれつき持っている共感する力によって住みやすい社会を作っていけるという。
とても共感できた本だった。
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