サブタイトルの六道ヶ辻にひきよせられて買った一冊。
はじまりは、いわゆる旧家のお坊ちゃまという表現が一番似合っていそうな大導寺静音が蔵から見つけたノートだった。平安時代から続く呪われた家系と噂される大導寺家、その呪いのひとつは約一世紀前の出来事だ。大導寺響太郎を名乗る青年が書き記した手記の形を取って、大導寺の血を受けたものがひとりづつ陰惨に死んでいく。それと平行するかのように、読みすすむ静音の周りでも事件が起こり…。
手記のレトロな書き方が、時代を遡るような気を起こさせて引き込まれた。犯人探しのミステリーというよりは、事件を起こすきっかけとなった大導寺家の血に焦点があてられている。怪しげで退廃的な雰囲気が漂う作品になっていた。末子のくだりから現代につなげるあたりはちょっと無理があるように感じましたが。そして過去の大導寺家の人々がおりなす愛憎劇に比べ、現代で展開する話が貧弱です。でもそれこそが過去を際立たせる技法と取れなくもない。