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心の電話相談室に務めるりん子(黒沢あすか)は、かつて自殺予告の電話をしてきた男(塚本晋也)に、自慰行為を隠し撮りされ、それをネタに性的虐待の脅迫を受けるが、それを機に自分の知られざる内面に目覚め始め、やがては潔癖症の夫・重彦(神足裕司)をも巻き込んで倒錯の世界へと入り込んでいく…。
世界に名だたる塚本晋也監督が第59回ベネツィア国際映画祭審査員特別賞を受賞した秀作。これまでの作品に顕著だった肉体の暴力性からではなく、精神の暴力性から入り込みながら肉体の美を描出し、無気質な都市に生きる男女の崩壊と再生、そしてエロティシズムを濃厚に描いているのが新味だが、一方ではこれまでの塚本作品の諸要素が至るところに散在されており、その意味では集大成的趣もある。モノクロに青味を帯びたシャープな映像の中、全編降り注ぐ豪雨の水をなまめかしく捉え、さらにはその音をノイズのように響かせる効果も素晴らしい。クライマックス、豪雨の中で全裸になり写真を撮られるヒロインの姿には崇高なものすら感じられてならない。(的田也寸志)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『鉄男』『バレット・バレエ』の塚本晋也が、ベネチア国際映画祭で審査員特別大賞を受賞した官能エロス作品。セックスレス夫婦の妻・りん子の下に、彼女の自慰行為を盗撮した写真と携帯電話が届く。その日から、何者かによる脅迫が始まる。通常版。