エッセイかと思えば短編が出てきたり、その短編の中でも
ひとつのカラーに染まらない、シュールなもの、心温まるものが集まっています。
全体として「こんな作品です」と一言で表せないのですが、
それが、タイトルどおりこの作品の狙いではないかと思います。
そう思って見ると、曇り空のような色にインクが染みたようなタイトルのカバーも
タイトルの「あわい」という言葉もなんとなくしっくり来る感じです。
オチもわかりやすいので、納得がいかず本を閉じるということにはなりません。
テーマや、言わんとしていることは何かにこだわることなく、
個々のストーリーの中に入り、流れ流されて読むのがいいのではと思います。
特に「唐草模様」は、あの風呂敷の模様からどろどろと
想像力がかきたてられ、読んでいて面白かったです。
コスモスからの手紙のくだりも、すごく好きでした。