実際見て、見る価値がある岩井作品だとおもいます。けど、それよりもこの作品が素晴らしいのは、映像を撮った茂野さんが、選手に溶け込んで映像を撮っていた膨大な映像があるからこそなので、ほんとうは岩井さんのみ監督というのは、ちょっと客寄せパンダかな?とも思ったりしました。
この作品は、一貫して『選手の側からの視点』を貫いている。作品の映像を撮った茂野さんと岩井監督の編集がそれに拍車を掛けている。試合が、アニメーションのように加工されているので、それ以外の日常だけが現実のような感じがして、とても上手い効果だと思った。この作品は、試合を見る観客ではなく、その試合と試合の選手の時間を描くものなのだ。試合は、観客にとってはほぼ全てだけれど、選手にとっては2週間のワールドカップのほんの数時間分でしかない。それ以外の膨大な時間は、戦略の研究や練習、プレッシャーとの戦い、宿舎に閉じ込められての共同生活があるのだ。こんな内部の視点というのは、まず見れない。サッカーファンだけではなく、見る価値のある映像だと思いました。
トルシエ監督が、ものすごいきつい言葉で選手達にまくしたてたあと、通訳と2人っきりになった瞬間
『ホントは、あそこまできつく言っていいのかわからなくなる・・・』
と、不塊がっていた様子。あれは、忘れられなかった。そして、キツクいうんだけど、実はすぐフォローをいれてるし。しかも、試合前の演説は、少々意味不明なところもあるが(笑)、その熱狂と強い意志はやっぱりリーダーというのは、すごいんだなぁ、と実感した。
最後のシーンで、トルコ戦の直後のロッカールームで、『次は、ドイツだ、ドイツ』と選手が言っていたのが、感動的でした。